内容説明
祭りの打ち上げの料亭で。「お繕は喧嘩の前に出しますか、後に出しますか」転んで起き上がったら、また転んだ。「いまいましい。起きるんじゃなかった」レトリックやメタファーの分析で見えてくる、「〈私〉とは」「存在とは」「時間とは」?ジョークは人間真理の哲学である。
目次
洒落はジョークの震源地
ジョークは小さなミステリー
ほら吹きはアナログ+デジタル思考
与太郎・子供・火星人
与太郎が正しい早とちり
類比の肩透かし
遠回しの図星
汝自身を知れ
あべこべ・でこぼこ・うらおもて
押してだめなら引いてみな
数は異なもの
あなたは何をモノにしましたか
捕えてみれば我が子なり〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sibafu
5
分かり易いジョークもあるが、「考えオチ」と呼ばれるものはなんでこれがジョークなのか、話を読み終えても分からないから恐ろしい。解説を読めばなるほど、と納得できるのだが。著者も書いているが、ジョークは謎解きという点で小さなミステリー小説みたいな所がある。序盤はジョークを分析、し構造を解説しジョークやうまいことを言うための実用書風だが、油断しているとニーチェやラカン、ハイデガーなどの立派な哲人たちの言葉や理論を引用、応用してくるものだから、底なし沼みたいに入り易くて奥深い。さらっとジョークを言える人に憧れる。2014/12/21
figaro
2
実存主義哲学が切り拓いた不条理の概念と、ジョークの意味論的な分析をつなげることがこの本の目的だ。目的と手段との取り違え、それだったら目的を立てなければ人生は充足するのでは。不均衡な現実を無理やり均衡されたものと受け取る脳、みかんが千両なら、食べ残しの3切れに人生をかけてしまった丁稚のお話など・・・人間がいかに不条理にできているかを、我が身になぞらえて笑えるところが人間のおもしろさなのかもね。2015/01/31
Nobuya
2
ジョークを解説するというのは、ナンセンスな気もするが、考えオチなどは読んでて面白かった。普段の会話で何気なくでるジョークを改めて分析すると本書のようになるのだと思った。2013/12/25
入江・ろばーと
1
こういう視点でジョークを論じるっていうのが新鮮。2016/10/05
レオンハルト=フリードリヒ=ソートイ
1
ジョークを類型化して作成しようと。 デジタル脳?2013/06/23