内容説明
「知る者は言わず、言う者は知らず」「朝三暮四」など、多彩な箴言と寓話にいろどられ、2千数百年を生きる『老子』と『荘子』。その深くはるかな知恵は、無心に遊ぶ赤子の姿、天空高くはばたく巨鳥の眼を借りて、欲望と競争に憑かれた人間を嘲い、窮まることのない世界に自在に遊ぶ。
目次
1 老荘の世界に入る
2 老子とは誰か、荘子とは誰か
3 老子―「道」の思想
4 荘子―「解脱」の思想
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大道寺
3
老子のうさんくささについて「「無私」とは、その一面として、結果的にはなはだ功利的な効用をもった。作為がないという作為があった。これが、うさんくささの正体であろう」と書かれている。私が老子を「世俗っぽい」と言っていたのもそういう面があるからだと思う。やっぱり老荘なら荘子の方がかっけーね! 荘子も「人をもって天を助けず」みたいに人と天を分けて論じて、文明社会を否定するような所が逆に気に食わない。文明社会を肯定しろというわけではない。あるがままを受け入れればいいではないかと思うのだ。(1/4)2012/06/09
やまもと
2
西洋的価値観が明治以降輸入され、私たち日本人は"個"というありもしない理想を追い求め、現代はそれによって疲弊している。もともと"個"なんてのは幻想で"ありのまま"を理想とする東洋的価値観の中で歴史が作られてきた日本においては、価値観の齟齬が生じてしまうのは当たり前なのではないか。一度自分たちの歴史、ルーツに遡ってこれからの国の在り方を根底から見直してはどうだろうか。そんな東洋的価値観の中でも、この「老子」は、地方自治やリーダーとしての在り方、あるいはテクノロジーとの向き合い方にヒントを与えてくれる。2018/01/31
sk
2
入り込みやすい親切な誘導。2014/01/31
MECABOO
1
●老荘のポイント、というか概要が簡潔に纏められていて、老荘思想の導入としても良いし、既に老荘に触れている人が改めて気づきを得るのにも役立つと思う。良い本。 ●著者の訳、注釈も分かり易い。2013/02/07
大島ちかり
1
老子の考え方は窮め過ぎていて、多分文字を追っただけでは分からない。 どういうものかが分かって良かった。 もっと勉強したいと思った。東洋人なので、東洋の感覚が合っていると思う。2010/08/22