出版社内容情報
【内容紹介】
「戸を高く開けよ 門を広く開けよ 光栄の主は来り給わんとす」ドイツの人々の生活はキリスト教と切りはなせない。人生への深い思索、外人への篤いもてなしの心、季節ごとの祝日など、すべてのことの根底にキリスト教の精神が色濃くただよっていた。ただ、過ぎし16世紀の“宗教改革”による分裂の影は今もなお残り、独特の心性が生みだされてきた。カトリックとエヴァンゲリッシェ(新教)、2つの教会という視点からドイツの歴史・文化への接近を試みた本書は、新鮮な観察と洞察に満ちたドイツ入門の書である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ひと
7
1955年から58年にかけての留学時の体験記。下巻では当時のドイツのキリスト教生活をカトリックとプロテスタントとを比較しながら詳述されている。特にカトリックの生活の宗教性の高さに裏打ちされた充実度が印象深い。本書は80年に出版されているが、その間にドイツでも近代化・世俗化が進んでしまったという。第二ヴァチカン公会議必ずしも良い面だけではなさそう。現在の生活の中で宗教性をどう取り入れていったらいいのか? 社交性がなさそうでアメリカ留学を絶たれた先生が、客好きなドイツ人宅とは言え、ここまで入り込んだとは驚き。2023/04/24
田山河雄
3
本書は当時('55)の独逸におけるキリスト教の在り様をそのまま論じている。渡部昇一氏自身が上智大学在学中に信者におなりになっている。つまり、このドイツ留学は信者の目で戦後間もない独逸をご覧になったのである。ルターに始まるカトリックとエヴァンゲリッシュ(新教・プロテスタント)との抗争がドイツに与えた影響は計り知れない。「宗教改革」という言葉自体が誤解を招きやすく「教会分裂」或いは「分離」と言うべきものであって、宗教改革で旧教は過去のものになった様な事では全く無い…と。居住まいを正して拝読しました。2021/11/02
Hiro
2
60年以上前のドイツ探訪記を今読む意味があるのかと半信半疑でいつでも投げ出すつもりで読み進めたが、意外に面白く読了した。キリスト教と国家、社会の関係が論じられ、特にカトリック教会のドイツ社会での影響力の大きさが力説されていることに驚き興味を引かれたのが大きい。カトリックの立場に立つらしい著者を鵜呑みにはできないが良識あるカトリック信者はナチに加担しなかった、とか、カトリックは国際主義だが新教は国家主義で、EUの理念もカトリックの指向に合っている、とかいう指摘はいかにも本当らしい。勉強して確かめたい。2022/01/10
丰
0
Y-202002/05/24




