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出版社内容情報
ドラッグディーラー・魔術師スカンクの“実験”が、一組の少年少女の運命を翻弄する。江波光則が描く悪と暴力の華、シリーズ第3弾。死は一度しか経験できない。死ぬのはみんなビギナーだ。
“魔術師”を自称する謎の黒人ドラッグディーラー、スカンク・バッツが調合した『魔法』の薬物“スーサイドクラッチ”が引き起こす強烈なバッドトリップによって脳と体に深刻な後遺症を負った秋斗。「殺されたい」と願うゴスロリのリストカッター少女、美尋とともに自堕落な生活を送る彼だったが、ふとしたきっかけから情熱を取り戻し、行方不明のかつての想い人、沙都の捜索へと乗り出したとき、死線を越えた異常きわまる世界が彼の前に立ちはだかる――! 最高潮! 江波光則の危険な小説。解説◎鈴木謙介
江波 光則[エナミ ミツノリ]
著・文・その他
中央東口[チュウオウヒガシグチ]
著・文・その他
内容説明
“魔術師”を自称する謎の黒人ドラッグディーラー、スカンク・バッツが調合した『魔法』の薬物“スーサイドクラッチ”が引き起こす強烈なバッドトリップによって脳と体に深刻な後遺症を負った秋斗。「殺されたい」と願うゴスロリのリストカッター少女、美尋とともに自堕落な生活を送る彼だったが、ふとしたきっかけから情熱を取り戻し、行方不明のかつての想い人、沙都の捜索へと乗り出したとき、死線を越えた異常きわまる世界が彼の前に立ちはだかる―!最高潮!江波光則の危険な小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
(●▲●)とらうまん(*^◯^*)
18
【★★★☆☆】えっ、ここで終わんの!?と諸々の投げっぱなし感もあり、シリーズクライマックスとしてはやや不満。 それでも、三作とも異なるテイストでありながら、江波光則らしさをフルスロットルで書ききったこのシリーズはまさしく「なんつう人におすすめしにくい傑作」だったです。 ドラッグと暴力とセックスだらけのどうしようもなく終わってしまってるクズどもの饗宴はまさしく著者の本気。ガガガ文庫の作品たちがいかにリミッターかけられていたかが、よーくわかりましたw2014/03/02
CCC
12
ヤク、暴力、セックス(ただし童貞は死守)の世界観。破滅に向かう意志と勢いがすごい。すごすぎてその先に突き抜けていった感。でも沙都を救うという目的には一途だったり、の割に沙都の存在がマクガフィン化してたり、主人公はそれを意識してたりと、一筋縄ではいかないバランス。面白かった。2024/04/08
1_k
9
ここに来て、オカルト色が強まる方向に持っていきますか! 魔術師ってそういう意味か! という、純粋な驚きも強かったが。本シリーズ、技術的に優れているし、とんでもなく面白いというのはあるのだが、それ以上に重力と言おうか、少し気を抜くと取り込まれてしまいそうなよくわからない力のようなものが徹底して強かった。ジャンル問わず、何十万部も売れるような小奇麗で小器用な作品であっても、ここまで重力の強い作品はめったにない。2013/08/14
藤崎
8
黒くて爽やかで重くて飛んでる、極上の暗黒青春ストーリー、3巻にしてひとまず終幕。今回は急にファンタジー要素が増えて前2作とノリが若干変わるし、完結編にしては説明不足なネタも多く、「物語」として見ると繋がりやまとまりに欠ける・・・ようでいて、なんというかこう、「作品」として見ると、全部繋がってきちんと結論出てる気がするのが不思議な所。後、個人的に他殺志願な美尋の「秋斗は私を殺そうとしなかった。そんだけでいいの」のセリフに痺れた・・・クールな破滅を超えていく、まさに「人に薦めにくい傑作」でした。次回作も楽しみ2013/07/21
椎名
8
とりあえずは一区切り、ということでいいのだろうか。前二作では限りなく過激に、それでいて陽気に、ハイテンションで破滅への道を駆け抜けていたが、今作は解説でもある通り世界の縁に引っ掛かってしまった、自分一人では飛び出すこともできない人間の話だ。美尋にとって、殺してほしいという言葉は救ってほしい、連れだしてほしいという言葉と同義である。どうにもできない自分を助けてくれという切望で、他人への期待だった。俺を何処かで待っている、と身勝手に思い込んだ秋人もまた。本当に、なんて薦めにくい傑作を書いてくれたんだ……。2013/07/17




