出版社内容情報
夏休みに初めてきいた戦争のおはなし
「おばあちゃんはね、むかし、うそをついたの」それは戦争中、物がなかった時代のお話。小学生のしんのすけの胸に、おばあちゃんの言葉がコトリと落ちてきました。
上條 さなえ[カミジョウ サナエ]
著・文・その他
小泉 るみ子[コイズミ ルミコ]
著・文・その他
内容説明
しんのすけが夏休みにきいた、おばあちゃんの秘密。それは、戦争中におばあちゃんがついたひとつのうそのおはなし。
著者等紹介
上条さなえ[カミジョウサナエ]
1950年生まれ。児童文学作家。執筆や講演を通して自己の体験をもとに家族のふれあいの大切さを訴えつづけている
小泉るみ子[コイズミルミコ]
1950年生まれ。早稲田大学文学部卒業。以降、絵を志し、おもに児童書や教科書の挿絵などの分野で活躍している
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かりさ
62
息子の学校の小2課題本。息子と一緒に読みました。課題本になるということは意味がありますね。2年生はこのお話をどう感じたんだろうと思いながら、私は切ない語りに涙が溢れてしまいました。息子は淡々と感想を述べてましたが、何故キャラメルの木なのか、おばあちゃんの嘘は何でだったのか、きちんと理解していました。ずっと心の奥底で苦しみを抱えながら生きてきたおばあちゃんを思うと胸が締め付けられます。仕方なかったと諦められるでしょうか。辛かった記憶を孫に伝え、そうしてまたこの思いを受け継ぐ。私も息子も良き読書でした。2017/06/04
はる
54
優しく切ない戦争の記憶。日本が戦争をしていた時代、病気で弱った幼い弟のために、おばあさんがついた哀しい嘘とは…。小泉るみ子さんの温かな絵がとてもいい。そして終盤、孫のしんちゃんがおばあさんに語りかける場面は涙を禁じ得ない。2020/10/26
とよぽん
45
おばあちゃんが子供の頃、戦争中で食べるものがなくて皆お腹を空かせていた。まだ幼い弟が病気で、日に日に弱っていく。おばあちゃんが切ない思いから弟に言ったウソ・・・。絵がとても優しい。最後のページが特に。2020/11/03
浅葱@
24
その嘘は、嘘じゃなくて、ほんのり点った灯のようだった。相手を想う気持ちが「キャラメルの木」。図書館で泣きそうになり、ぐすぐす。親子で読んでほしいし、年齢を越えて共感できると思う。おねしょしたことを言えるしんのすけの真っ直ぐさも良くてまた涙が(pω・。)2013/08/13
みさどん
23
ついていい嘘ってあるよねと子どもには教えたい。戦時中は希望も光も見えなかった時代。石ころをなめていた話もよく聞くのだもの。キャラメルのなる木っていう嘘はついていいんだ!おばあちゃんと現代っ子の交流がうまくまとめてあってわかりやすい。正直な主人公がとっても素敵。2019/06/30