感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MOE
1
1960年代の課題図書だったのか、とこの本を検索して画像を見て知った。書物自体、普段は書庫に収められてるような本。原爆が落とされた時に広島の近くの病院で勤めていた父親、そして主人公の小百合が生まれてまもなく白血病で亡くなる。小学5年生の小百合も白血病が判明する。夜間中学に通うスーパーで住み込みしながら働く子や、魚を獲り家計を支える田舎の子など時代背景も見える。この話は実話で、昔の少女フレンドに掲載されてた事を知った。漫画ではなく小説だった時代なのだろう。恵まれた時代を生きる私達が失ってるものも見えてくる。2022/06/29
papakiti
1
もう一度読んでみたいと思い、公共の図書館で検索したら見つかりました。しかも文庫ではなくオリジナル?の方です。拍子を見た途端40年以上前の記憶とつながりました。夢中で一気に読みきりました。何か言葉に表せない思いが・・・。 ノーモア・ヒバクシャと叫びたくなりました。主人公とその友人たちの行動が健気です。図書館て本当にいいものですね。2013/08/09
ぼんきち
0
昔むかし(!)図書館で借りて読んだ記憶がある。ひょんなことから今、改めて読んだ。まだまだ、敗戦の傷そのものが色濃く残る頃の武蔵野と、広島に近い瀬戸の島を舞台にした、子どもたちの物語。重い病、貧しさーー。切なく、儚く、力及ばないけれど、凛として前を見つめる気高さがにじむ出てくる。「時代」の2文字で片づけてしまってはいけない何かが、今、読むことで立ち上がってきた。こういう読書も、いいものだ。2018/10/07