出版社内容情報
【内容紹介】
暗黒の時代といわれる中世は、家内制手工業の発展、自然科学の隆盛、キリスト教美術の開花など、古典時代の遺産を近世のダイナミズムに向けて静かにはぐくんだ時代でもあった。本書は、中世を特徴づける封建制の総合的分析を軸に、法王と各国王の確執、十字軍の旗印と実際、イスラム学者の偉大な業績などにもふれた、中世再発見の書である。
十字軍と騎士階級――十字軍は中世人の深い信仰心とこれを指導するローマ法王の力によって実現した。しかしそれはまた、中世封建社会と切り離しては考えられない。十字軍に加わった人々は、王侯から農民、乞食などあらゆる階層をふくみ、男子だけでなく女子も同行した。しかし十字軍兵士の中心は、封建社会を代表する騎士であった。冒険と戦闘を好む騎士にとり、十字軍はまたとない舞台を提供したのであり、聖地回復の旗印は、騎士の武力を聖化したともいえよう。――本書より
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
46
中世ヨーロッパの経済、文化についてイメージを広げられたのがよかった。特に経済史は前提条件を知らないと手も足も出ない。試験対策で読んだけれど、いっそう頑張ろうと思えた。2015/12/24
xin
1
浅く広く、無難で手堅い中世西欧史。2017/02/23
あ
0
短いうえにしょぼい、受験に使えるとも思えないし、研究書でもないし、一般教養としてもどうなん?みたいな、誰に読んで欲しくて書いてるのかわからない2017/09/28
MIRACLE
0
ヨーロッパの歴史について、ゲルマン民族の移動、フランク王国の成立・分裂から、英仏独の形成に至るまでの、約一千年間の政治・経済・文化を概説した入門書。ヨーロッパでなぜ、フランク王国が確立した中央集権が持続せず、地方の封建君主の分立が生じたのかについての、説明が弱い。しかし、筆者は、体系的な叙述を行なっていて、読みやすい(「まえがき」が、本書の要約になっている)。また、ドイツについての記述がくわしい。ロマネスクはローマ風、ゴシックとはゴート風(すなわち、野蛮)など、語源についての言及があり、侮れない。2014/02/06
陽香
0
197306242013/01/30
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