出版社内容情報
【内容紹介】
弁証法は、社会の原理を鋭利にそして的確に解明していく。矛盾とは? 否定の否定とは?……難解といわれがちな唯物弁証法。本書では、科学的研究の武器として弁証法を捉え、かつ、身近な話題を例にとりながら、平易に解説し、その核心をつく。
科学的方法を求めて――人生は未知の世界への旅行です。さきのことはわからないとか、一寸さきは闇だとかいいますが、何か正しい方向を知るための羅針盤のようなものはないでしょうか?問題の解決にあたって、誰もが手びきとするのは過去の経験です。自分はかつてこうやって成功したとか、誰々はこうやって失敗したという事実をしらべて、こうするのはよくなかろう、こうしたらうまくいくだろうと、その方向ややり方を工夫します。でもそれだけしかないでしょうか? もっと科学的な方法はないものでしょうか?わたしは自分の社会科学の研究に弁証法を使ってみて、それがどんなにすばらしい武器であるかを実感することができました。――本書より
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
45
absintheは、弁証法というのに良い印象を持ってないのだが。そういう心証を持つ前に読んだ本。大学の頃だったか…。この本自体は、弁証法よりもマルクス主義を主張するようにも見える。否定の否定・相互浸透・量質転化が弁証法の鍵らしいことはおぼろげにわかった。
ももすけ
32
難しくて読み終わるのにずいぶん時間がかかった。ただ、基本的には諸行無常や陰陽五行説を科学的に表現したもので、その意味においては馴染みやすい考え方だと思う。 読み終わって、自分の中で導き出した答えは、ものごとは、両極端の中心が時代によってどちらかに傾き、歴史を重ねながらも螺旋階段を登るように良い方向には向かっていっている。そう考えると将来もそんなに暗いものではない気がする。2020/11/23
かわうそ
30
筆者は観念論を批判し、唯物論の立場に立っている。弁証法とは感性的直観から理性への上昇、理性から感性的直観への下降の連続である。 面白いのは量質転化という考え方だ。量が増えればいずれ質が変わってくるというもの。例えば民主主義も賛成者が圧倒的になれば独裁になる。だから、量を侮ってはいけない。増加や減少を過小評価すると、いずれ質そのものが変わってしまう。質が変わればもう後の祭りで取り返しのつかないことになる。高市政権に対する私の嫌悪感も量が質に変化するその不気味な法則への恐怖感から来ているのかもしれない。2026/04/25
樋口佳之
26
神が能力を持ってわたしたちの生活に影響をおよぼせばおよぼすほど、それだけわたしたち人間は無力な存在に/幸福な生活をすることも、愛情を育てることも、わたしたちの人間としての努力によって実現させなければならないし、実現するのだと考え、行動するのではなくて、わたしたち人間の力では獲得できないものだ、神や仏におねがいして力をかりなければならないのだということになって/神や仏が能力を持てば持つほど人間は無力でみじめに/人間の能力や努力を認めれば…神や仏が無力になるという意味で、両者は敵対的な関係/ここ全く不同意2019/03/02
hit4papa
12
本書は、哲学としての弁証法を紐解くものではありません。哲学不要論者の著者は、弁証法を科学に生かしていく立場で論を進めていきます。物事を見るに当たってのヒントを与えてくれるので、折々、再読し、誰かと意見を交換したくなります。




