感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月
9
上巻に引続きとても読み応えのある一冊だった。個人的にはいつか(手に触れることができるなら)兵本善矩の作品も一度読んでみたい。上下巻を読み終えて、尾崎のこの文学的回想記(あの日この日)は、尾崎作品の中でも忘れられない一冊になるだろう。尾崎の性格が随所に垣間見え、ある時はそのしつこさに思わず笑みすら浮かべてしまう。そして一見興味薄の人物の話でも、尾崎独特のリズム(筆質)によって文中に惹き込まれてしまう。尾崎一雄は人としてもとても魅力的であり、僕にとって、何処か憧れのおやじでもある。 2014/07/02
kokada_jnet
0
尾崎一雄の自伝の後半部分。映画「もぐら横丁」が面白かったので読んでみたが。映画中に描かれていた「妻の出産時の産院への居座り」は、事実ではなかった。小林多喜二が奈良の志賀宅を訪問した時期の考証あり。やはり、奈良時代に、志賀の周辺にいて、「小説の達人」とよばれた性格破綻者・兵本善矩についても詳細あり。2012/10/18