内容説明
戦乱の世に、徳川家康を震撼させたとして名高い真田一族。天性の明晰さと軍才、沈着冷静な判断力に恵まれ、犬伏始め数多の場で、己の信念のもと決断する勇気を持ち合わせた嫡子・真田信之。仁と義を重んずる心根で徳川家臣として忠勤に励む傍ら、徳川家から怨敵とされる父・昌幸と弟・信繁への情愛も終生貫く。沼田城主、上田藩主、松代薄主と、真田家三百余年存続の礎を築いた長兄・信之、真田精神“独立独行”の篤い姿を描く。
著者等紹介
志木沢郁[シギサワカオル]
1955年、東京都生まれ。早稲田大学教育学部国語国文科卒業。2003年、『嶋左近戦記 信貴山妖変』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ウチケン
7
「2009年初版発行」それ以来の再読。当時は、信之のイメージを田辺誠一として読んでいたが、大河ドラマの影響で大泉洋で読んでみる。(その他も大河キャストで)ドラマとはキャラクター設定の違いはあるものの、意外にハマった配役に、ドラマを2度楽しめたかのよう。ドラマとも『真田太平記』とも違う【漢/オトコ】信之像に視点の違いによる面白さを味わう。主人公であるが故か、信繁よりも一枚上手な格好良さに惚れる。家督を継ぐ長男たるもの、こうありたいと言う鏡。徳川との関係も興味深い一説。秀忠もある一定の理解をしていたとか?2016/09/11
ながしまともよし
1
戦国の乱世の中、信州の小領主の真田家の命運をかけて奔走する信之の苦悩がよく描かれていた。もう少し信之の治世の話を読みたかった。2016/04/15
美亜希
1
あまり語られない信之の話なのでかなり自分の中でハードルを上げてしまったのがいけなかったのか、信之が最後まで「普通の人」だったのがちょっと物足りなかった。あの曲者の父と弟を持っているのだから少しでもそんな面を見せてくれたら「おお、やはり真田の血!」って感心したのだけど、彼らの行動に胃を痛める所謂「殿といっしょ」の信之であった。でも、酒井以外の徳川四天王を従えて父親達の為に奔走したところは流石!彼らを後ろ盾にしてなんてこんな説得力ないでしょ。これも、信之の人柄故か。2013/06/03
BIN
1
弟と父が有名すぎて影が薄くなってしまう真田信之を描いた作品。前半はなにげに戦上手ぶりを見せ、後半からは戦働きはあまりないが堅実さを見せる。少し短めであまり深くは書かれてないい。地味だけど信之は、2代目にはちょうどいい人物だなと思う。小笠原貞政との友情もいい。あとがきにある小野お通はちょっと気になる。2013/01/11
らき
1
なんだか表面をさらっと流したような感じが…。信之の人間味は感じられました。2010/11/02