出版社内容情報
原アジア人の有力集団は、氷河期が終わり、チベットに住みにくくなると江南に移動。しかし江南に進出した漢民族に追われ、その一部は航海民となって北九州に定住し、小国家をつくった。やがて彼らは西日本に広がり、大和朝廷を建て、天皇家の先祖となった。
内容説明
原アジア人の最も有力な集団がチベットにいたとみられる。彼らは氷河期が終わり、チベットが住みにくくなると、四川省に移り、そこから揚子江を下って江南に定住した。漢民族が江南に進出したことによって、江南を追われた原アジア人の航海民の一部が北九州に定住し、小国家をつくった。やがて彼らは西日本に広がり、そのなかから大和朝廷を建てたのではないか。つまり、江南起源の水軍(航海民)の集団が、天皇家の先祖である。
目次
プロローグ 江南から日本へ
第1章 日本のなかの南方系文化―日本文化伝来のルーツを検証する
第2章 呉越の民の渡来―江南の新興国、呉越とのかかわりを検証する
第3章 九州の航海民―四拠点に定住した呉越の民の軌跡を検証する
第4章 玄界灘の国々―北九州に移住した航海民の実像を検証する
第5章 吉野ケ里の発展―交易で有力化した“吉野ケ里”を検証する
第6章 北九州東部の統一戦争―邪馬台国の成立とその衰亡を検証する
エピローグ 日本の水軍時代
著者等紹介
武光誠[タケミツマコト]
1950年山口県防府市に生まれる。1979年東京大学大学院国史学科博士課程を修了後、明治学院大学専任講師、助教授を経て現在、明治学院大学教授。日本古代史を専攻し、歴史哲学的視野を用いた日本の思想・文化の研究に取り組む。それと共に、文化人類学、考古学、言語学、比較文化の成果を取り入れつつ日本人の起源の探究にも当たる。主著に『律令太政官制の研究』『日本古代国家と律令制』『名字と日本人』『古代人と巨石建造物の謎』『藩と日本人』など多数
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