出版社内容情報
山本周五郎、池波正太郎、平岩弓枝、宮部みゆき、山本一力などの昭和・平成の時代小説の名手が描き出す泣けるアンソロジー!
江戸市井の人びとの情緒あふれる来し方を昭和・平成の時代小説の名手が描き出すアンソロジー!<収録作家>山本周五郎、池波正太郎、平岩弓枝、宮部みゆき、澤田ふじ子、諸田玲子、宇江佐真理、山本一力、<作品解説>縄田一男。
内容説明
江戸の片隅で生きていく男と女の矜持と哀しみ。貧しいながらも支え合う家族のぬくもり。職人であるがゆえの意地の張り合いと粋な人情の機微。市井の人びとの情緒あふれる来し方を昭和・平成の時代小説の名手が描き出す泣けるアンソロジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
リュウジ
9
★4 縄田氏が集めた作家さんは8人。いずれも時代小説では名をあげた方。これだけの作家さんの話を一冊で読めるのは、ホントにお得。艶っぽい話、教訓めいた話、恋愛話、人情噺、身を尽くす話、もの悲しい話・・・と、その切り口も書き味も作家さん毎に異なって、いずれもおいしい。江戸の町(一つ違うけど)で働く人の心根がおでんのように染みてくる。また、違う「選」を読んでみよう。 2018/10/11
タツ フカガワ
9
作家8人のアンソロジー(既読は山本周五郎と宇江佐真理の作品)。ところが冒頭に収録の山本周五郎「かあちゃん」で何度活字がぼやけたことか(三読目なのに)。傑作ですね。他に諸田玲子「打役」や山本一力「のぼりうなぎ」も素晴らしかった。2018/06/04
けいこん
6
1つ1つのお話が味わいがあって、満足感が高い。傑作選の名に偽りない内容だった。どの話にも一途に黙々と努力する人が出てきて、好感が持てる。表紙を見返して、この小さな文庫の中に8個も入っていたのが不思議に思えた。2015/11/09
山内正
5
薄の根株を植えてとは妙な奴や 二年前に同心と別れ若狭屋に戻った 於雪 三年足らずで浮世絵太平記 百人一首他を荷車で実家へ運び 貸本屋をすると兄に伝える 遊郭の女郎やらが客になり 枕絵を欲しいと女もいる 竹田様に書写を頼み出来る日と待つ 評判が良く数を頼まれる 前夫が四年前に島送りした安之助が 知り合いに女房を取られた恨みをと 島抜けしたが隠れ家が分からずに 貸本の多くなった客を教えてくれと 安之助は直ぐに捕まり再び島送りに 好きな本を持って2021/10/03
山内正
5
番頭さんが迎えに母ちゃんが泣きながら店に戻れと 大旦那様がお呼びだと廊下を奥座敷 に 見せたい物がと妙な掛軸を 首を括った男の絵が 家宝だと 私が奉公に上がった番頭さんが描いた絵だ 奉公が辛くて死のうと土蔵へ入ったら折釘にぶら下がった人が ここは一杯だよと言われ寝床に戻った 朝もう一度行くとここは一杯だと足をぶらぶらと 幽霊と聞くと神様だ奉公人の 死ぬのはもう辞めようと おいらは一人じゃ無い神様が付いてる 私にこの絵をくれたと 捨松は信じ無い土蔵に入ったら 母ちゃんがぶら下がってた 辛抱しておくれと2021/08/09
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- 和書
- 飛ぶ男 新潮文庫