学研M文庫
零戦

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  • サイズ 文庫判/ページ数 661p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784059005018
  • NDC分類 538.7
  • Cコード C0121

内容説明

わが国の航空技術の粋を結集して開発された世紀の傑作戦闘機「零戦」。この名機の設計主務者その人である堀越二郎と元大本営海軍参謀奥宮正武は、戦後間もない時間、膨大な一次資料と実体験に基づいて「零戦」のすべてを記録することを試みた。「零戦」はどのような技術的、時代的背景のもと、いかにして誕生したのか?そして、当事者から見た太平洋戦争期の日本海軍航空の実相とは?貴重この上ない証言と資料を満載した必携の名著。

目次

第1部 零戦が生まれるまで(過渡期の悩み;海軍航空の躍進期;日華事変における九六式艦船隊の活躍)
第2部 零戦の誕生(十二試艦戦へ設計者の苦心;早くも中国大陸へ出撃;改良の陰に尊い犠牲)
第3部 大空の覇者(太平洋戦争の前夜;勝敗のカギを握る航空戦;遅ればせの空母重視)
第4部 名機にも強敵続出(激しさを増す空の死闘;ただよう憂色;あとを継ぐもの)
第5部 零戦以後の海軍機
第6部 結び

著者等紹介

堀越二郎[ホリコシジロウ]
1903年群馬県生まれ。工学博士。東京帝国大学工学部航空学科卒業後、三菱内燃機関(現三菱重工業)に入社。九六式艦上戦闘機、零式艦上戦闘機など、世界の航空史に残る数々の名機の設計主務者として活躍する。戦後は三菱重工業参事、参与を経たのち退職。東京大学、防衛大学校などで教鞭をとった。1982年死去

奥宮正武[オクミヤマサタケ]
1909年高知県生まれ。元海軍中佐。海兵58期。横須賀航空隊分隊長などを経て、太平洋戦争中は航空参謀としてアリューシャン・ミッドウェー作戦などに参加する。戦後は航空自衛隊学校長などを歴任。退官後はPHP研究所顧問を務めた。2007年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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radish

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零戦前後の日本航空自立に関して設計者及び軍関係者の証言を纏めた日本航空史の集大成。設計側にも将来的に必要な技術の開発が急務であると解かっていながら、しかし、それが許されない点が日本の国力の限界だと認識していた様子がありありと。と、同時に、未開の新世界であった大空へ自らの力で乗り出した製造、運用の歴史には深い尊敬の念を抱かずにはいられない。そのままYS-11まで進めてくれたら完璧だったのだが。2014/04/23

しょうご

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昭和27年初版、昭和50年に改定された設計主任の堀越二郎、元大本営参謀の奥宮正武両氏により執筆された零戦開発の真の設計から終戦までの零戦のすべてが記述されています。原書は、1956年にニューヨーク・ロンドンでで「ZERO」として出版され、その後パリでも「LESAILES JAPONAISES EN GUERRE 1941-1945」、1958年には技術関係部分を「THE ZERO FIGHTER」としてロンドンでも発行され世界に零戦の事実が紹介された先駆けとなりました。零戦が外国模倣の戦闘機ではなく、ピュ

とく

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本書は日本海軍航空隊の歴史を後世に伝えるという目的のみならず、『烈風』の開発を巡って決定的となってしまった海軍と堀越(三菱重工)の間の亀裂に対する戦後和解の書とされている。零戦の開発過程のみならず、烈風開発にもかなりの紙数が割かれており、旧海軍の戦争後半の航空機開発の一端が垣間見えて面白い(堀越の恨み節なので、かなりネガティブな印象だが)。最新の研究では零戦の計画要求書の記載が実物と違うなど事実と違う面もあることが分かってるそうだが、『戦後の零戦史観』を作り上げた本書の重要性は今後も変わらないだろう。2018/01/12

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