内容説明
小藩の下士の次男・浦辺玄太は二十一歳。そろそろ自らの身の振り方を決めなければと、武士の身分を捨てる覚悟で、知り合いの網元が住む七つ浜をたずねる。そこは幼い日、藩の名門神崎家の御曹司・伊織に忘れえぬ屈辱を受けた場所でもあった。しかし、七つ浜はかつてののどかな漁村ではなく、玄太は、武士を捨てるどころか幕府までからんだ権力の暗闘にいやおうなく巻き込まれていく…。
著者等紹介
渡辺毅[ワタナベタケシ]
1934年、樺太生まれ。1990年、『小さな墓の物語』で第一回東北・北海道文学賞受賞。その後文学同人「文芸東北」に加わり、執筆活動に取りくむ。1996年、『ぼくたちの日露戦争』(邑書林刊)で第十二回坪田譲治文学賞、2002年、『アプトルヤンペ』で第八回歴史群像大賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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