出版社内容情報
霧神流抜刀術の使い手・霧神清十郎は、お佐世の借金を返すため、仕組人となる。ヨリが探索し、ツテがつないだ情報が、清十郎に届く。仕組む(死組む)相手は、新陰流の使い手・荒垣一心。清十郎の紙蝶の剣が、闇に光って、世直し無用の仕置きを果たす!
内容説明
直参旗本でありながら、罪のない女たちを凌辱し無惨に斬り捨てる非道の男―。犯した女囚の責め絵を売りさばき、私腹を肥やす牢屋見回り同心―。仕官をえさに浪人とその妻女を嬲り殺しにするさまを愉しむ大名の子息―。江戸の裏社会に生き、決して御定法では裁けぬ者たちへの恨みを、天にかわって晴らす仕組人。一撃必殺の居合術の達人、霧神清十郎の必殺剣が死蝶となって闇に舞う!書き下ろし「必殺」長篇時代小説。
著者等紹介
増田貴彦[マスダタカヒコ]
1960年、静岡県生まれ。日本脚本家連盟所属。フリーライター、漫画原作者を経て、1990年「特警ウインスペクター」(テレビ特撮番組)でシナリオデビュー。以後、特撮、アニメを中心に脚本を多数執筆、現在に至る
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感想・レビュー
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グビりょー
1
電子書籍。本格的な時代小説というより、テレビ「必殺シリーズ」の小説での再現を目指した作品。したがって格調の高さより通俗性、娯楽性を重んじるのが正解。前半はわりと王道時代劇的な話ながら、徐々に裏稼業の重みや人殺しの業を出し、手の込んだ話になっていくのが良。裏稼業に踏み込みながらどこか醒めた目線の主人公と、ヒロインのおさよ、殺し好きの狂気を秘めた相棒、畳針使いの新次とのかけあいもいい。テレビの必殺シリーズが好きな人ならお勧め。2019/01/19
吉外武男
0
必殺シリーズを愛する著者が、脚本家として携われなかった必殺を小説で書いちまえ! と放ったのが本作。後書きでも語られているが、テレビ向けフォーマットが確立されている本家に対して小説形式にマッチさせるべく工夫を凝らしているのが見もの。ただ単純になぞるだけでないオマージュの仕方に必殺愛を感じて嬉しくなってくるのう。 ブックオフで仕入れたものの続巻は手に入らずモヤモヤ。2018/06/22