出版社内容情報
大正16年度の完成を目指した、戦艦8隻、巡洋戦艦8隻を中核とする、帝国海軍の壮大な主力艦整備の全貌と経緯を詳解する!
大正6年起工の「長門」型1番艦「長門」、および翌7年起工の2番艦「陸奥」を皮切りとして、帝国海軍が総力をあげて大正16年度の完成を目指した、戦艦8隻、巡洋戦艦8隻を中核とする、「八八艦隊計画」。その主力艦整備の全貌と経緯を詳解!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
YS-56
4
帝国海軍最良の理想郷、八八艦隊計画。実際に完成した長門級を含め、計画艦を詳しく解説しています。ちなみに、いわゆる13号艦級(『八八艦隊物語』の影響を多大に受けている身としては、伊吹級と呼びたいですね。)の、18インチ砲搭載予定の巡洋戦艦最終シリーズについては、実際の所、こうしたいという希望段階だったみたいです。主砲・主機関開発の問題が(最大の問題は予算ですが。)計画達成に間に合いそうもなかったようです。この計画は、その過程で生まれた補助艦等によって、後の海軍の発展に貢献した。そういったところでしょうか。2011/08/02
杞人
2
煙突が集合化されて一本煙突になり、なんとなく条約型重巡を思わせるお洒落フォルムだった(と判明した)天城型がよいですね。他にも紀伊型の3-4番艦は50口径砲を搭載する可能性が高い、とか。また、八八艦隊計画艦は連装砲塔を多数搭載しているのでどうにも見た目が古臭いと思っていたんですが、主砲の尾栓構造から三連装砲塔の採用が早かったアメリカさんも、それはそれで水圧機の限界から射撃速度に制限があったり(道理で日本側がさっさと三連装に切り替えないわけだ)、と知らないことばかりで大変楽しく読めました。2011/08/13