出版社内容情報
本書の前作『波紋と螺旋とフィボナッチ』は、一見複雑で神秘的な生き物の形が、実はごくシンプルなルールで理解できることを解き明かし、各紙誌書評で絶賛された。本書では前作のテーマを深化させ、さらに多彩な生物の形や模様の謎に迫る。
内容説明
この模様や形はどうやって生まれるの?その法則、わかりやすく教えます!
目次
1 特撮ヒーローもうらやむリアル変身技法
2 ツノゼミの究極奥義が創り出すアートな造形
3 硬い鎧の制約が生む貝殻のバラエティ
4 意識と無意識の境界
5 部品を組み立てて作る深海のスカイツリー
6 魚のヒレも組み立て作業で作られる?
7 海底のミステリーサークルの謎を追え!
8 梃子の原理で理解する?人体の物理学
9 細胞たちがオセロで遊び、皮膚の模様が現れる
10 模様を変える、動かす、理解する
著者等紹介
近藤滋[コンドウシゲル]
大阪大学大学院生命機能研究科教授。1988年、京都大学医学部で博士号取得。その後、あちこちを転々とした後、2009年より現職。専門は発生学。趣味は理論生物学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅわっち
22
前作が面白く、期待の本を読み終わった。面白かった。ただ、前作の興奮まではいかなかった。形の話がメインで個人的には、納得感がある。著者の年齢による部分と、地位によもよると思うが、余裕のある立場で書かれているので、前作の分野開拓する気概との違いを感じた。また、チューリング波は、何か、世の中の安定と不安定が、外乱が起きるたびに起きるように感じた。著者が書いているように、研究が、いい環境で行われるようになることを希望致します。また、知識がないため、この本を批判的に読み、深堀することはできなかった。2022/01/09
はやたろう
6
生き物を形づくる形成メカニズムを科学的に分析。数学や物理学を生物学と結びつけ、なおかつ、技術として応用できるのではと思い至るところが素晴らしい!2022/01/12
takucyan1103
4
【OS図書館 ★★★★】▽小柴昌俊博士がノーベル物理学賞を受賞した時に、テレビのアナウンサーから「ニュートリノの発見は、どんな役に立つのでしょう?」と聞かれた時の、「百年経っても、何の役にも立たんでしょうな。ぐわっはっは」であろう。これは、謙遜や自虐ではなく、「百年ぐらいで実用化できるような、そんじょそこらの発見じゃないんだぜ」という意味。豪快です。▽「我に支点を与えよ、されば地球をも動かしてみせよう」というアルキメデスの台詞は、科学者の大見得として最高にかっこいい。2022/11/30
tori
4
カブトムシの角、貝殻、耳小骨などさまざまな生き物の形がどうやって出来上がっているかを軽妙な語り口で解説する。科学本なのに気軽に読める理由は、1)トピックがどれもイメージしやすいこと(扱うものが形態ではなくて生理学や遺伝子発現だとこうはうまくいかなかっただろう)、2)口語体で疑問文を随所に挟んでいること、それに3)図解が多用されていること(ほぼ全ページに図がある)だろう。あと、4)どこまで噛み砕いて説明すればぎりぎり通じるか、その塩梅を熟知しているのもある。文章を書くヒントとして参考になった。2022/04/03
takao
3
ふむ2022/04/07