出版社内容情報
日本映画界が独自に育て、継承してきた「特撮」に関する技術すべてを、多数のメイキング写真、図解、インタビューなどで解説。日本映画界が継承してきた「特撮」に関する技術すべてを、多数の秘蔵写真と各パートの伝説的技術者への取材で解説する画期的研究書。『三大怪獣 地球最大の決戦』台本(初公開)および『ゴジラVSビオランテ』台本(川北紘一監督使用)の複製が付属!
学研プラス[ガッケンプラス]
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナクマ
26
偉業。今の日本で技術大全をという志に頭を下げたい。◉(大海原のセットで海水を表現するには)長さ30センチの棒寒天を一斗缶に25本溶かした状態がベストと判明しました。◉(ミニチュアの電柱は)作業員が上り下りする足場の鉄棒を、下の方は子供が悪戯で登れないように抜いてあります。◉ポキンと折れた鉛筆が回転しながらカメラに向かって飛んでくる小道具を、という想定外のオーダーに即興で応える。◉何に弱いって、こういう話に一番弱い。大好きだ。神は細部に宿る。毎日が文化祭。2019/02/01
たいそ
4
2016年。シン・ゴジラは昔ながらの特撮ではなくCGで作られた。CG化が進むことで現場の技術伝承が途絶え、何年後かに特撮で作ろうとしたときには手遅れ、ということが無いように今集められるノウハウを集めまくった内容。なので従来のこの手の本は「鑑賞」に重きを置いていたように思うが、本書は「制作」に重きを置いているように思う。CG化で凄い映像が観られるようになった反面、「逆転の仕掛けを考え、観客と知恵比べ」する要素は減ったというのはその通りだろう。「君は胃が痛くなるほど物を考えたことがあるかい?(円谷英二)」2016/11/12