出版社内容情報
朝日新聞連載ルポの書籍化第3弾。いまだ解決をみない福島原発事故の被害の実態と被災地の人々の苦悩を、長期にわたって告発。
朝日新聞連載ルポの書籍化。福島原発事故から1年以上が経過したが、いまだ16万人が自宅に帰ることができず、避難を続ける。一方で、原発を存続すべきか、廃炉へと向かうべきなのか、揺れ続ける国と自治体。日本人に原発事故は何をもたらしたのかを検証。
【著者紹介】
朝日新聞報道局につくられた調査報道専門の取材チーム。2011年の福島原発事故の放射能汚染の惨劇を受け、検証記事を作製するために、特別編成の取材班がつくられた。
内容説明
日本新聞協会賞、石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞などノンフィクション・ルポルタージュの賞に輝き、2012年もっとも注目された朝日新聞連載記事の書籍化第3弾。いまだ16万人が避難生活を続け、収束のきざしの見えない福島原発事故。人々の苦悩と、これからの日本の原発のあり方を問う、気鋭の記者たちのルポだ。
目次
第13章 病院、奮戦す
第14章 吹き流しの町
第15章 除染の悩み
第16章 カワセミ日記
第17章 がれきの行方
第18章 地底をねらえ
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
185
福島原発事故をめぐるルポルタージュ第3弾。この巻では、主に事故後の問題に焦点が当てられる。相変わらず、腹立たしくも信じられないような対応ぶりだ。とりわけその被害を被ったのが飯舘村長泥地区。ここは福島第一原発からは33kmの距離にあるものの、地形や風向きの関係で高濃度の放射線が飛来し滞留していた。原子力安全委員会はそれを知りながら、住民に一切避難勧告を出していないばかりか、考えてもいなかったのだ。誰のための何のための「安全」委員会なのか。そのために住民は最も危険な事故直後の2か月間そこに留まり続けた。 2013/09/10
燃えつきた棒
18
何故、全国で唯一、福島県三春町のみが全町民に安定ヨウ素剤を配布、服用させることができ、 何故、国はそれを指示し得なかったのかというエピソード(第14章吹き流しの町)に、国家と官僚機構という巨大組織が宿命的に抱える規模の不経済を痛切に感じた。 2016/03/09
美登利
16
震災後の村や町が取った対策など、あまり報道されてないことがよくわかります。このシリーズは、これからも読み続けなければいけないと思います。2013/03/26
琴華
12
一巻では起こっている状況を追いかけるだけで精一杯。二巻では涙無しでは読めなかった。今回の三巻で改めて自分で情報を集めて、その色々な情報を自分の中でどう処理するのか?という事を考えさせられた。あの時、政府は「直ちに問題はない」を連発しててそれを素直に信じた自分を振り返る。チェルノブイリは遠い国で起きた、昔の事と思ってたけど、でも20年以上たってもまだ、問題を抱えている。れから二年たつけど、プロメテウスを読んでいると、「もう」二年ではなく、「まだ」二年という感じがひしひしと感じられる。2013/02/25
ねこまんま
9
田舎の人や年配の人は保守的で、「難しいことは偉い人が考えたらいい」というような風潮だそうですが、これではいかん!と立ち上がり、町や村独自で考え、決断し、再生に向かって立ち上がる人々の話が印象的です。 いつの時代も、貧乏くじを押し付けられるのは貧しい側だという現実に気持ちが重くなります2014/01/05
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