内容説明
終戦までの七年間で総数二一三一名の謀報員を養成した「陸軍中野学校」。スパイ学校と喧伝されたこの機関の出身者が行った作戦の実態は未だ謎に包まれている。だが、謀報員たちの重い口がここに開かされた。新資料・新証言で明かされた驚愕の極秘計画の真相とは!?―。
目次
第1章 対支経済謀略工作(中国経済を壊滅せよ!;杉工作の実態とは ほか)
第2章 宮城占拠計画(近代史の一片が刻まれた「駿台荘」;語られたクーデターの謀議の真相 ほか)
第3章 皇統護持工作(戦後の国家再建構想から生まれた計画;勝沼に疎開していた白北川宮道久王 ほか)
第4章 GHQ潜入工作(陸軍中野学校の終焉;遊撃戦の教官として迎えた終戦 ほか)
第5章 マッカーサー暗殺計画(マッカーサー暗殺計画始動;斎藤聡の証言 ほか)
著者等紹介
斎藤充功[サイトウミチノリ]
1941年東京生まれ。東北大学工学部中退後、中間の機械研究所に勤務。その後ノンフィクション作家として独立。近現代史、犯罪者、刑務所事情といったテーマを中心に取材、執筆活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よこしま
21
中を読めないでの図書館予約でしたので、借り間違えたと気づきました。それでも収穫はありかな。正式な設立が昭和13年で僅かな期間しかなかったことは意外でした。日本の諜報としては明石元二郎が有名なので、日露まで解る書籍を読みたいです。忍者の末裔も講師を務めており、解鍵だけでなく殺人まで効果あったと。2014/11/07
ひろゆき
1
そういう教育を受けてしまった故の敗戦後の右翼青年の悲憤。中野学校のスパイ活動、技術の話ではなく、時代に取り残された青年たちのひたむきな活動、または悪あがきを描く。2013/09/13
たぬき
1
ちょっと 過大評価ではないか2012/11/07
鐵太郎
1
ふうむ、なかなか面白い。作家は、中野学校の存在によって日本にはソ連、英国に肩を並べるスパイ学校があった、とまで言います。本当だろうか。しかし情報ボケ、諜報戦後進国にすぎなかったと言われる日本で、このような組織があって活動し、いかにも諜報組織らしくその規模、作戦、活動内容などを秘匿したままでその存在を終えたとしたら、なにか日本という国へのそこはかとない誇りを持てるかも知れません。とはいえ、いずれにしても諜報活動というものはダーティな存在であり、必要悪なのですけどね。2011/12/09
光
0
村上龍の『5分後の世界』を思い出した。何故そういう世界になるのかという根拠がここにあった。村上さんは知っていて、あの小説を書いたのだろうか。2016/09/24