出版社内容情報
医療ミスを発端とした病院内立てこもり事件と、二つの身元不明の女性死体――。背後に浮かぶ容疑者を追って新米刑事・島村啓介たちは南アルプス山中へ。迫真の警察小説と山岳ミステリーの醍醐味を堪能できる書き下ろし長篇アクション!
内容説明
横浜市内の交番勤務から、“国境警備隊”と呼ばれる辺鄙な神奈川県津久井署に転勤をいい渡された島村啓介は、医療ミスに端を発した病院内立て篭もり事件に遭遇。犯人は手榴弾を爆発させて自爆する。一方、相模川で若い女性の全裸死体が発見され、山梨県の南アルプス林道で発見された身元不明の女性死体との関連性が疑われる。二つの殺人と医療ミスの事件の背後に浮かぶ容疑者を追って啓介たちは南アルプス山中へ―。迫真の警察小説と山岳ミステリーの醍醐味を堪能できる書下ろし長篇アクション。
著者等紹介
柊治郎[ヒイラギジロウ]
1943年大阪生まれの三重県育ち。元警察庁警備局外事課の敏腕外事捜査官。ドイツと韓国に在勤経験があり、訪問した国は100ヶ国を越える。98年に「久遠の恨」でデビュー。ホンモノだけが書けるリアリティの高い刑事小説に加え、鋭く世界情勢を見据えた国際サスペンス小説で、高い評価を得ている
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感想・レビュー
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yamakujira
4
神奈川県の津久井と山梨県の広河原で全裸の女性遺体が発見され、それぞれを殺人事件と断定した神奈川県警と山梨県警の所轄刑事が、牽制し合いながらも協力して捜査を進める。鳳凰三山の登山中に起きた殺人事件ってわけじゃなのに、このタイトルは優良誤認だって責めたくなるけれど、容疑者の足跡をたどる登山シーンを味わえたから許そう。2時間ドラマのように単純な展開は、こういうレーベルに期待する通り、肩が凝らずに楽しめる。津久井は馴染み深いから、津久井警察署を県警内で国境警備隊と呼ぶって、言い得て妙だと笑えた。 (★★★☆☆)2019/07/27