内容説明
天正十一年十月、三河・岡崎城の徳川家康は、羽柴秀吉と前田利家、そして上杉景勝らの連合軍に取り囲まれ、まさに四面楚歌の状態に陥っていた。しかし、そんなことで屈する家康ではない。あらん限りの謀略を巡らし、援軍を渋る北条氏政を、その術中に収めることに成功する。その秘策とは、自らが浜松城に幽閉した織田信忠の復活であった。だが、家康にもひとつの誤算があった。前田利家の存在である。柴田勝家の壮絶な死によって、利家は天下大乱のひきがねを引く宿将に変わりつつあったのだ。果たして、利家が下した決断とは…。
著者等紹介
神宮寺元[ジングウジハジメ]
1956年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。1996年、菅原道真の晩年に題材をとった『孤舟の夢』(歴史ピープル)で、作家デビュー。王朝ホラー『疱瘡将軍』などの幻想的な歴史小説を発表する
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