出版社内容情報
セックスによる即身成仏を説き、江戸期に弾圧されて滅びた謎の邪教「真言立川流」の実態と、そこで崇拝された、人の肝を食らう鬼神ダキニ天の関連を膨大な資料を駆使して追及する。忌まわしいドクロ本尊の作成法から、南北朝の闇で行われた秘儀までを紹介。
内容説明
セックスによる即身成仏を説き、弾圧された邪教「立川流」の実態と人の肝を喰らう鬼神ダキニとの関連を、膨大な資料を駆使して追及。忌まわしきドクロ本尊の作成法から、南北朝の闇の秘儀までが、荒寺の妖しき談義のうちに開陳される。
目次
起
初夜―髑髏本尊
二夜―〓枳尼天
三夜―如意宝珠
四夜―仏舎利
五夜―真言立川流
六夜―金輪聖王
七夜―北斗七星
結
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
婆娑羅
2
最近、稀にみる名著。おもしろい。中世も現代もヒトの関わっていく事象には共通の流れがあって、これは必然なんだな〜と勝手に思った。真言立川流が興ったのもこれ然り。お勧めです。2012/01/02
yozora
2
中世には今まで成り立ってきた大きな神話原理(王権や三種の神器)が廃れそうになり、それに取って替わるように現れたのが生と死を司る女神(稲荷、弁財天、天照、愛染などなど)たちであり、その流れにおける一つの形として立川流も出現した。図式も多く理解の助けになる。本作は二人が対話していく形式で真言立川流や髑髏本尊について論じていくのだが、その形式のため学術書としてあるよりも幾分分かりやすく取っ付き易かった。論理的にもちゃんと筋が通っていて、読み物としても楽しめるので大変良い作品だと思う。2011/08/21
紫
0
淫祀邪教の悪名高い「真言立川流」の解説本であります。髑髏本尊、女神信仰、仏舎利、如意宝珠。問答形式の軽い筆致で展開される日本中世オカルトの世界は、実証的な見地からのアプローチに徹しており、伝奇小説的なおどろおどろしさ、スキャンダラスな歴史の裏事情を期待する向きには少々退屈に感じられるかも。漫才的な掛け合いに、立川流の教理をアダルトビデオになぞらえたるといった爆笑のくだりもあったり、読者を飽きさせまいとする筆者の苦心は並み大抵ではないものの、大量の史料を駆使した論考は本格的かつ難解なので心構えを。星5つ。2014/03/30
七.
0
読んだ小説の参考資料だったので。自分には難しい内容でしたが、読みやすかったです。