出版社内容情報
――第33回小川未明文学賞大賞作品――
小学5年生のわたしには、ひとつ上の兄・ほーちゃんがいます。
ほーちゃんは、わたしとはぜんぜんちがう人間です。
ときどき馬が草原をギャロップするみたいに駆けだしたり、
とつぜん大きな声を空にむけて放ったり。
ほーちゃんのほーちゃんらしさについて、わたしはそれほど「なんでだろうなぁ」と思ったことがないのです。
それがほーちゃんだからです。
そんな兄が、インフルエンザで修学旅行に行けませんでした。
ところがそれをきっかけに、2歳の子どもから79歳のおとなまで、
さらには犬のフジまでまきこむ、やりなおし修学旅行がはじまり……!?
重厚なテーマと軽やかな関西弁が織りなす、ふしぎな感動作品。
「ありがとう」の意味や、人とのつながりを見つめなおす物語です。
【目次】



