出版社内容情報
暗い。重い。でも、絶対に読んでほしい。孤独の中に、光を求めて生きる、少女たちの姿を描いた、傑作YAアンソロジー。表題作の「翼をもたない私たちは、それでも空を飛びたかった」を含む、三編の短編を収録。中学生~一般成人向け。
内容説明
幸せのかたちはいろいろある。不幸せのかたちも。でも、「幸せ、ちょっと不幸せ」よりも「不幸せ、ちょっと幸せ」のほうがずっと幸せに見えるのはどうしてだろう―。ヤングケアラー、不登校、自傷行為、PTSD…。さまざまな問題に直面し、飛び立つための翼を奪われた若者たち。それでも空を見上げることを決意した、3人の少女たちの姿を描いた、感動のYAアンソロジー。
著者等紹介
山下君子[ヤマシタキミコ]
東京都立大学卒。神奈川県で中学校の教員を勤めたのち、「シナリオ・センター」の講師に。東京で長く暮らすが、未だ大阪弁が抜けず
麻希一樹[マキカズキ]
東京大学大学院・人文社会系研究科・博士課程単位取得退学
橘つばさ[タチバナツバサ]
西の田舎町出身。幼いころから物語に囲まれて過ごし、本を手放せない小中学生時代を送る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
彩灯尋
11
内容が重ための短編集。2作目のヤングケアラーの話で自分の将来と重ねて泣いた。決して物語のストーリーだけではなく、いつ自分に降りかかってもおかしくない現実。誰が悪いと言えない現実にどんどん追い詰められていく様子がしんどくなった。ほんの少しでも幸せに向かうことができるよう願うばかり。2025/04/17
ヨシ
10
3編の短編でできているこの本は、魅力的な題名·orieさんの透明感のある絵·今時のブロック体の文字というYAの王道をいくものであるが、内容は決して軽いものでもお涙頂戴ものでもなく、がっつりと重めである。現在社会的問題になっている自傷·ヤングケアラー·不登校という3つの問題を正面から取り上げ、安易な解決に走らずに、主人公たちがふみだす新しい一歩を静かに見つめた。みんな同じ人間だから仲良くしよう、と言っているうちは何もできない。みんな違う人間だから違いを認め合っていくことが大切なのでは。2023/12/29
くら
7
教科書に乗せるべきだととても思う2024/06/29
飲も飲も
3
自傷行為、PTSD,ヤングケアラー、不登校など様々な問題に直面した少女たち。それぞれ空を見上げることを決意し一歩踏み出していく。とてもよかった。2023/10/06
くま美
2
3人の作家によりる3編のアンソロジー。自虐行為、ヤングケアラー、不登校、現代社会のかかえるYAの問題を丁寧に書かれいてる。辛くて、重たくて、しかし、少女たちが希望を見出して大空へ羽ばたいていける姿に救いがある。3つ目の「わたしは、わたしの色で、わたしを描く。」合唱を御子柴先生が、違った目線で少女に語りかけるシーンは、同調圧力を良しとする事に一石を投じていて、少女の心に響く。(P248)紹介しなくても、表紙がorieさんなので、手に取りやすいかな。2024/05/13