出版社内容情報
そうまくんが原因で、ぼくはけがをした。けれど、なぜかそうまくんは謝らず……。子ども達の優しく繊細な心がかかれた成長物語。物知りで、時々こだわりスイッチが入るそうまくんは、ぼくの大切な友達。ある日、そうまくんの縄跳びが、ぼくに当たってけがをした。お母さんは「もう遊ばないように」と言う。ぼくはお母さんに「そうまくんは、ふざけてない」と言いたいのに…。
村上しいこ[ムラカミシイコ]
著・文・その他
陣崎草子[ジンサキソウコ]
イラスト
内容説明
「そうまくんとは、遊ばないほうがいいよ。」夜、お母さんがぼくにいった。物知りで、ときどき「こだわりスイッチ」が入るそうまくん。けれど、あるじけんから、いっしょに遊ぶことが、よくないことになってしまった。そうまくんは、ぼくの友だちなのに…。
著者等紹介
村上しいこ[ムラカミシイコ]
『かめきちのおまかせ自由研究』(岩崎書店)で、第37回日本児童文学者協会新人賞受賞。『れいぞうこのなつやすみ』(PHP研究所)で第17回ひろすけ童話賞を受賞。『とっておきの詩』(PHP研究所)で、第56回青少年読書感想文全国コンクール課題図書に選定される
陣崎草子[ジンサキソウコ]
大阪教育大学芸術専攻美術コース卒業。画家、絵本作家、児童文学作家、歌人。『草の上で愛を』(講談社)で講談社児童文学新人賞佳作を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
杏子
19
そうまくんはこだわりの強い男の子。えるは、そうまくんの友だちだけど、あることがきっかけで、いっしょに遊べないことになってしまった。本当のことがなかなか言えなくて、うそをついてしまうえるの気持ちもわかる。女の子の友だちのかんなちゃんが間に入ってくれて……。あったかないい話だった。友だち同士のトラブルなど、考える材料にもなるかも。2018/09/12
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
12
大人だってなかなか言い出せないことがあるけれど、でも最後には素直になれる分,子どもの方がエライ!掛け違ったボタンは最初からやり直せばいい、そんな簡単な事がなかなかできないものですよ。大人にも是非読んで欲しいです。2018/12/22
ケ・セラ・セラ
9
「こだわりスイッチ」のある子どもはいます。けれども何かしらの理由があってのことで、その点を見ずに誤解される場面は多々あると思います。友だちのそうまくんとのトラブル、先生やお母さんの誤解に「そうじゃないんだ」と言えなかったぼく。子どもにとって親の言葉は絶対だからつらいよね。心の中が痛い痛い。「そうまくんは悪くないんだ」中学年からオススメしたい本です。2018/08/01
ふう
7
ちがうのに否定できない、もどかしい気持ちは多くの人に覚えがあるものではないかと思います。特に子どもは、親に決めつけられると逃げ場がなくなってしまう…。えるくんの、それをそうまくんのせいにしたくなったりするところもリアル。それらを包み込むような結末に、ほっとあたたかな気持ちになる本でした。2018/09/06
いよの缶詰め
5
ある出来事がきっかけで「あの子と遊ばない方がいい」と母に言われてしまう。僕の友達なのに。本当の事が言い出せない葛藤。言い出せないから、嘘を重ねる。私と同じだなぁと思う。これは道徳の取り扱ってもいいのでは?2020/08/07