出版社内容情報
両親が離婚して母親と暮らす6年生の加奈子は、夏休みに父親と過ごすため北海道にいくが、そこで婚約者の女性と会う。加奈子はショックを受けるが、その女性との出会いの中で、幸福とは何かを考えるようになり、次第に自信を取り戻していく。 中学年~高学年
内容説明
とうとう夏休みがきた。わたしは、パパのいる北海道へと飛んだ。ところが―空港に出むかえていたのは、パパだけではなかった。パパによりそうようにして、若い女の人が立っていたのだ。「うそっ、うそでしょ!」わたしの小学校最後の夏休みは、最悪のスタートを切ることになった。第12回・小川未明文学賞大賞受賞作品。小学校中学年から。
著者等紹介
今井恭子[イマイキョウコ]
1949年、広島県に生まれる。上智大学大学院(自然人類学)修士課程修了。第21回「らいらっく文学賞」、第3回「ミツバチの童話絵本コンクール」最優秀童話賞など受賞多数。この作品で第12回(平成15年度)「小川未明文学賞」大賞を受ける
岡本順[オカモトジュン]
1962年、愛知県に生まれる。18歳で漫画家としてデビュー。現在は主に絵本作家、イラストレーターとして活躍
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
60
「小学校中学年から」とあるけれど、両親の離婚後の子どもの思いがテーマというのは、児童書がようやく現実に追いついたというべきなのだろうか。小学生の加奈子はパパに会えなくなった理由であるママの陶芸を嫌っている。パパは北海道で新しい伴侶を見つけた。しかし両方とも娘の心への配慮には、大いに欠けるところがある。三年前に戻ることなどできない。しかし子どもとはいえ、いつかは親の迷いや心に思いが行くようになる。肯定はできなくても自分の心も成長する。クラスメートもいる。読み終わってタイトルの意味にやっと気がついた。2020/01/08
みーなんきー
21
タイトルのシンプルさと、小川未明賞受賞作品ということで、期待しながら読みました。児童作品ながら、両親の離婚、父親の再婚相手との対面など、心の繊細な部分に引っかかる微妙な気持ちに焦点を当てて書かれた本書。国語の課題図書になったり、読書好きな女の子に気に入られそうなハイレベルな中味でした。2016/08/01
杏子
16
ずっと勤務校にあって、気になっていた本。読めてよかった。両親の離婚にあたふたする小学6年生の話。とてもリアルで、シビア。北海道に単身赴任した夫に突然、離婚届を出す母の心理がわからなかったが。陶芸にはまってしまい、それに集中したかったから?子どもにとっては、あまりに身勝手。理解できないことだったろう。けれど、そんな加奈子の気持ちも北海道で、パパの再婚相手にあった時に段々変わってくる。歩きだす夏…タイトルそのままの内容だった。犬好きな人は気に入るかも?2019/10/09
糸車
9
7月の子供の本の読書会、課題本。子供目線で書かれているはずだけど、全体を見通したら大人目線なお話だと思う。あまり子供の本という感じではない。一足先に赴任先に行った夫にいきなり離婚届を送り付ける加奈子の母の神経が理解できなかった。事前の話し合いは一切なし。結婚生活や家庭、子供に対する責任をどう考えていたのか疑問が残る。加奈子が母の焼きあがった陶器を片っ端から割ってしまうシーンで初めて自分がしてきたことを突きつけられたのではないか。父の再婚相手がとてもいい人でよかった。2014/07/18
イチイ
8
父親の転勤をきっかけに突如離婚を切り出し陶芸家への道にのめり込んでいく母親に戸惑いつつ、夏休みを過ごすために向かった北海道で父親から恋人を紹介され戸惑う主人公を描く児童向けの小説。両親の離婚と再婚への子どもの戸惑いはありふれたテーマだが、やりたいことに熱中する母親とそれが見つからない自分に焦りを感じる娘という親子関係は新鮮だし、自らの世界を切り開き自立していくという人物像は力強く惹かれるものがあった。舞台は思いの外東京の場面が多く、北海道らしい場面をもっと読みたかったかもしれない。2020/04/15




