感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
270
文はアメリカの作家ストックトン。『若草物語』のオルコットや『小公子』のバーネットらとともに児童雑誌「セント・ニコラス」で活躍した人。絵はモーリス・センダック。絵本というよりは、挿絵入りのお話本といったところか。主題は「胡蝶の夢」などに通じるような東洋的な発想が根幹にありそうで、ある意味では難解である。絵も抑え気味に描かれているが、ドラゴンはさすがの圧巻。しかし、その一方、あかんぼう(準主役)は全く可愛くない。日米の、あるいは時代による好みの差だろうか。2024/04/08
chiaki
32
学研/新しい世界の幼年童話から。こちらはアメリカの児童文学初期の黄金時代を築いたというストックトンの作品にセンダックが絵を添えたもの。訳は光吉夏弥さん。自分の住まいにはもちろん、上着のポケットにも蜂を飼いならし、どこへ行くにも常に蜂と共に生きるみつばちじいさんにまず笑い。ある日そんなおじいさんの所に、魔法使いが「あんたは何かの生まれ変わりだから、元の姿に戻らなきゃいけない」と唆し、おじいさんは焦って元の姿を探し求める旅に出ます。中盤、小鬼の存在がよくわからなかったのですが、オチはクスリと笑えて面白かった。2022/04/13
山芋
1
ストックトンは、この話を気に入っているようで、自選集にいれている。 とぼけた味わいで、人はそう変われるものではない、というのがストックトンの哲学なのだろうか。 なんてことを考えず、とぼけた味わいを味わう話なんだろうなぁ。 それにしても、センダックの絵が粗く、台無しになっているのが残念2019/11/14