出版社内容情報
大きな黒い霊柩車のような不審な車。かつてこの車を見た翌日、隣の家族は忽然と姿を消した。その同じ黒い車が、密かに想いを抱く浅井安奈の家の前に停まっている。安奈はあまり幸福と言えない学校生活を送っている可憐な少女で、趣味を通して最近少しだけ仲良くなってきたところだった。膨れあがる不安感に押され家の中に忍び込んだ多代亮介は、傷ついた安奈を連れ出して逃亡した。
蒼衣が深い傷を抱えた後、処分しそこなった〈泡禍〉被害者を探すため、瀧修司と可南子の工房を訪れた蒼衣たち。だが可南子に対して雪乃は恐怖を感じずにはいられない。雪乃は生き返りという概念に疑問が隠せず――。
『Missing』の世界を幻視した『マリシャス・テイル』を書き下ろし収録。
【目次】
序章 しあわせのはじまり
一章 高炉のある町
二章 体温のある像
三章 不幸のある巷
四章 幸福のある城
五章 悲劇のある家
間章(一) しあわせのかけら
間章(二) しあわせのかたち
六章 悲劇のない家
七章 幸福のない城
八章 不幸のない巷
九章 体温のない像
十章 高炉のない町
終章 しあわせのくに
『マリシャス・テイル』



