出版社内容情報
生物部に入った出田たち四人が発見した、50年前の怪しげな報告書。かつての部員たちが「天狗の怪異」とされる現象を科学的に調査したというレポートからは、なぜか肝心の結論部分が抜け落ちていた。まるで後輩たちに向けて、続きを調べろと訴えるかのように。
失われた真相を確かめるべく、連休を利用して実地調査を敢行する四人。森を探索し、夜の神社を歩き回り、宝物殿に伝わるミイラさえも観察しながら、伝説を科学的に検討する二泊三日の合宿が始まった。
「こんな調査がしてみたかったんだ。同い年の、同じ趣味の人たちと」
それは紛れもなく理系の青春だった。しかし怪異の真実を追う中で見えてきたのは、彼らの日常を壊しかねない不穏な秘密で――?