出版社内容情報
「君を狙うすべてを祓うよ、僕の囮姫」――忌み嫌われる私を見初めた金髪碧眼の貴公子は、異形の影を討伐する『影斬り少尉』だった。
皇都の夜を騒がす異形の影を視認し誘き寄せてしまう体質で疎まれてきた真野青葉は、舞踏会で偶然出会った藤波家次男・千晃からその能力を買われ求婚される――影を釣る囮として。
仮初めの夫婦生活、千晃の軽薄な言葉、夜ごと任務に帯同する日々。でも、時折見せる彼の優しげな視線と一途な態度。千晃の言動のギャップに翻弄されながらも、青葉は忌み嫌われてきた自分の力が求められることで徐々に自信を取り戻していく。そして、欠けたものが満たされていくのは千晃も同じで……。
【目次】
序章 契約は赤い月の夜に
第一章 影を視る目
第二章 煉瓦通りの初デート
第三章 華やか也、藤波家
第四章 梅まつりの夜
終章 つぼみの未来