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出版社内容情報
天国に近いこの場所は、今日も命のにおいで満ちていた――。
緩和ケア病棟で看護師をする倉田さんの仕事は、余命宣告をうけた患者さんのケアをし、その最期の時まで寄り添うこと。チームカンファレンス、介助、エンゼルケア。ときに複雑な事情を抱える患者と家族に向き合いながら、いくつもの死を見送ってきた。
この静かな病棟で、ある日起きた幽霊騒ぎ。出所不明の噂は、患者、主治医、新人看護師、配達中の売店スタッフまでを巻き込んで、棟内に波紋を広げていき……。誰にも等しく訪れる〈最後の夜〉を描いた、号泣必至の感動作。
内容説明
緩和ケア病棟で看護師をする倉田さんの仕事は、余命宣告をうけた患者さんのケアをし、その最期の時まで寄り添うこと。チームカンファレンス、介助、エンゼルケア。ときに複雑な事情を抱える患者と家族に向き合いながら、いくつもの死を見送ってきた。この静かな病棟で、ある日起きた幽霊騒ぎ。出所不明の噂は、患者、主治医、新人看護師、配達中の売店スタッフまでを巻き込んで、波紋を広げていき…。誰にも等しく訪れる“最後の夜”を描いた号泣必至の物語。
著者等紹介
遠野海人[トオノカイト]
第27回電撃小説大賞で“メディアワークス文庫賞”を受賞した『君と、眠らないまま夢をみる』でデビュー。大胆な発想力と巧みな心理描写で人気を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
32
緩和ケア病棟で余命宣告を受けた患者のケアをして、最期の時まで寄り添う看護師の倉田。死を待つ人に何ができるのか誰にも等しく訪れる最後の夜を描いた物語。最期に娘に会いたがった父、ローファーさんが会いに来ていた妹、命の値段を問う小学生の男の子など、複雑な事情を抱える患者や家族に向き合いながら、いくつもの死を見送ってきた倉田。そこから思ってもみなかった展開に直面しましたけど、余命を区切られる中で自分に何ができるのかを考えながら、それぞれのエピソードがそれぞれひとつに繋がってゆくとても印象的な物語になっていました。2023/11/13
荒川叶
13
眠るまでの時間。 私はあとどの位生きられるのか、そして死ぬ間際何がしたくなるのか。 大切な人に看取られるだけじゃない。一人の場合もある。 そして看取られない人々、残された人の様々な苦難。 看取るのも看取られるのも辛い2023/10/03
ツバサ
11
凄く心に訴えかけてくるメッセージがあって、忘れられない1冊になりました。人の死というのは避けられないもの。本人と家族との距離感や価値観、生死の捉え方は違うということ。どう向き合っていくのかを考えていく物語でした。読んでいて、じーんと目頭が熱くなりました。長く生きるというのは簡単ではない。ブログにてhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2023/09/28/2100002023/09/28
栗山いなり
8
緩和ケア病棟で展開される物語。バラバラだったエピソードが一つになっていくのが分かった時の感覚は何度体験してもいいものだなと思った。誰にでも訪れる『最期の時』を描いた物語はどこか切なくもじんわり染みる物語だった2023/10/15
めぐ
6
病院の看護師と売店のバイトの男の子の視点が目まぐるしく入れ替わりながら進む。舞台は緩和ケア病棟で、接する人々の大半が残された僅かな時間を切り崩しながら崖っぷちに佇んでいるためか、その慌しさがより迫り来る最期への焦燥感を掻き立てる。ややファンタジー要素のあるバイトの男の子のストーリーも手伝ってか、全編夢か現かという不思議な感覚を齎す仕上がりとなっている。恐らくコンセプトとしてはメメントモリ的な作品でありながら、人の生など胡蝶の夢に過ぎぬのではないか…と逆に現実感が喪われていったような地に足の付かない読後感だ2024/09/21