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出版社内容情報
王国に仇なした神竜が、「竜殺しの女王」に葬られて百年――歴代女王の献身により、王国は繁栄を享受していた。
五代目女王の娘・クリムヒルトもまた王国を護る決意を胸に戴冠の日を迎える。歴代女王と同じ、神の力の「蝕み」に倒れ苦しむ姉・ブリュンヒルドの想いも背負い、玉座の間に入るクリムヒルト。しかしそこには、女王になる者が知らされる、王国最大の闇が待ち受けていた。
「護りたい」想いは同じく、しかし目に映す未来は異なる、女王が、忠臣が、王子が、竜が――紡ぐ歴史の狭間の物語。第28回電撃小説大賞《銀賞》受賞の本格ファンタジー、第三部開幕!
内容説明
王国に仇なした神竜が、「竜殺しの女王」に葬られて百年―歴代女王の献身により、王国は繁栄を享受していた。五代目女王の娘・クリムヒルトもまた王国を護る決意を胸に戴冠の日を迎える。歴代女王と同じ、神の力の『蝕み』に倒れ苦しむ姉・ブリュンヒルドの想いも背負い、玉座の間に入るクリムヒルト。しかしそこには、女王になる者が知らされる、王国最大の闇が待ち受けていた。「護りたい」想いは同じく、しかし目に映す未来は異なる、女王が、忠臣が、王子が、竜が―紡ぐ歴史の狭間の物語。第28回電撃小説大賞“銀賞”受賞の本格ファンタジー、第三部開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
40
王国に仇なした神竜が、「竜殺しの女王」に葬られて百年。歴代女王の献身によって繁栄を享受していた王国の暗部が明らかにされるシリーズ第三部。歴代女王と同じ神の力の「蝕み」に倒れ苦しむ姉ブリュンヒルドの想いも背負い、王国を護る決意を胸に戴冠の日を迎えた五代目女王の娘クリムヒルトが知らされる王国最大の闇。王国を繁栄させる王の役割とは一体何なのか。あり方を巡って対立する初代女王から使える老臣ウォレンと姉妹たちという構図でしたが、過去の呪縛を断ち切ることで直面する何とも皮肉な結末に、統治の難しさを痛感させられました。2023/08/10
オセロ
31
竜殺しの女王の手で竜が葬られ、どんな傷でも治す霊薬によって支えられてきた王国で、歴代女王と同じ「神の力」を有するが故に「蝕み」によって苦しむブリュンヒルドの代わりに妹のクリムヒルトが新たな女王として即位しようとしていたが…。 何の犠牲もなく霊薬が出来る訳もなく。秘密を知る宰相のウォレンに狙われるブリュンヒルドが仲間を集めて立ち向かう展開でしたけど、ウォレンは絶対悪とは言い切れなくて。未来のために起こした行動が今を苦しくするという辛い結果を受け止め、全てを背負う覚悟を決めたクリムヒルトにはグッときましたね。2023/08/12
なみ
23
次期女王に即位するはずだったブリュンヒルドは、神の力に起因する『蝕み』で、体が弱っていってしまう。 優しい妹が王位に就くことに不安を感じ、蝕みを治すための研究を始めたブリュンヒルドは、学院の地下で竜のベルンシュタインと出会う。 王国の未来を動かす、凄絶な戦いの結末とは──。 お互いを大切に想う姉妹の姿がとても美しかったです。 物語では悪役として描かれているウォレンですが、一貫性があってすごく素敵でした。2023/08/22
yosa
21
相も変わらず美しい物語を書く作者だ。その筆が紡ぎ出す物語は起伏に富み、主人公の運命をはたまた王国の存亡を激しい波風にさらし、普通ならば愛憎劇とでもなるべきところを、ところがこの作者はひたすらに峻烈に愛で貫く物語として書き切ってしまう。わかりやすい悪役が出てきたところで彼の行動理念までもが愛に突き動かされているのだから徹底している。読み易さ理解し易さとトレードオフになっているト書きのような文章が少々気になるものの、私は書きたいものを書き切ったのだ、という作者の信念は存分に伝わってくる。悪くない。良き良き。2024/07/13
ツバサ
14
今回、ページ数少ないなと読む前に思っていたが、グイグイ引き込まれていきました。帯にあるように王国史に残らなかった、消えてしまう物語かもしれないが、読者の心に残る、善人の女王の物語でした。あと、優しき竜も忘れられません。ブログにてhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2023/08/11/2100012023/08/11