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出版社内容情報
周藤 蓮[スドウ レン]
著・文・その他
かやはら[カヤハラ]
イラスト
内容説明
機器による未来測定が義務化した世界。少年・湯治夕日は、将来的に罪を犯す存在“明日の罪人”と判定され、無人島『鉄窓島』での隔離更生プログラムへの参加を強制される。集められた12人の“明日の罪人”。その使命はただ一つ。一年間の共同生活を通じて己が将来の潔白を証明すること。だが、日々を過ごすにつれ少年少女たちに潜む心の闇が徐々に露わになり始め…!?迫りくる悪意、苦難、孤独―。その果てに捻じ曲がる未来は贖罪か。それとも絶望か。『賭博師は祈らない』の周藤蓮が贈る、衝撃の学園クライムアンサンブル!―さあ、『特別授業』を始めよう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オセロ
37
演算能力の発達により、人の未来の行動が分かるようになった未来を舞台に、将来必ず犯罪者になると判断された少年少女達が無人島の学校に集められ、自身の未来の無罪を証明する物語。 登場人物が多くて最初は物語についていくのが大変でしたが、途中からは主人公の湯治が学校で起こる事件に巻き込まれたり、世界観の矛盾点に気付いたりと、ミステリー要素もあって楽しめました。 今巻は顔見せ要素がメインのように感じましたが、どのキャラクター一癖も二癖もあり、少女少女達が如何にして未来の無罪を証明するのか、続きが楽しみです。2022/06/14
よっち
30
未来測定が義務化された世界。将来的に罪を犯す存在と判定された少年・湯治夕日が、隔離更生プログラムに集められた明日の罪人たちと出会う学園クライムアンサンブル。無人島『鉄窓島』での一年間の共同生活で、将来の潔白証明を課された12人の少年少女たち。未だ未確定要素も多い集団生活の中で起きる事件、その中で浮き彫りにされてゆく参加者の異常性。流石に12人もいると特徴的なキャラを動かすにもやや散漫な印象は否めませんでしたが、孤独な彼らがどういう関係性を構築してゆくのか、物語としてどんな方向を目指すのか今後の展開に期待。2022/06/11
サキイカスルメ
17
機械による未来測定によって、将来的に罪を犯す《明日の罪人》として集められた12人の少年少女。どんどんその歪みがあらわになっていく、孤島の学園クライムストーリー。主人公夕日が探偵役をするミステリのような部分もあり、問題だらけの登場人物たちの将来の罪や歪みと向き合っていく部分もあり、面白かったです。夕日の穏やかに壊れてる感じが好き。優しい狂気を感じるんですよ。笑顔なカナちゃんのぶっ壊れもよかったし、怪力七三ちゃんも可愛かったです。みんなの内面が見えてくるほどに、面白くなっていきそうなので続きが楽しみです。2022/06/15
イシカミハサミ
15
犯罪とは孤独と価値観の相違による。 時勢的に考えるところもあるけれど。 物語的にはミステリー仕立て。 さすがの周藤さんで いろいろな要素がちりばめられていてしっかり回収。 しいて言えば、この舞台が設定されるに至った経緯が 明確になるともっと深みも出るのだけれど。 もし続編があるならそちらに期待。2022/07/23
真白優樹
12
様々な事を導き出される関数が全てを決める世界で、未来に罪を犯すと決められた子供達が孤島に集められ始まる物語。―――歪み、交わり、変わりだす。その果てに罪は萌芽する。 罪による死刑が一年後に迫るというどこか切なく色あせた感のある世界の中で、孤島で共同生活を送る中、歪みによる事件が起きる今巻。綺麗なだけではない、罪と言う歪みがあるからこそ一筋縄ではいかぬ物語であり、どこか重い物語りも相まって、唯一無二の物語である。罪が変わりだす中、子供達は未来の無実を証明する事は出来るのか。 次巻も須らく期待であるべし。2022/06/11