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出版社内容情報
彼女の最後の【お願い】は――終われないセカイで描かれる、最後の恋物語。
内容説明
「お願いです…最後にわたしといて」そして彼女は、こう続けた。「終わりのときまで、二人でいさせて」日和の宣言通りに訪れた「終わり」。お願いの力でもなすすべのない崩壊の中、深春と日和は旅立つ。この壊れた世界で、ふたりだけで生きるために。そして…つかの間の、夢のような日々の先に。終わったはずの世界の姿を、ふたりは―俺と彼女は目にする。葉群日和。世界を変える「お願い」の力を秘めた女の子。本当はごく普通に、俺の彼女でありたかった女の子。海と山と坂の街、尾道。あの頃、きっと壊れないと思っていた日々の中で始まった、終われない恋の行く末で。彼女は、最後のお願いをする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星野流人
46
これにて完結。これがセカイ系ってやつか! 滅びゆく世界を前に、絶対的な能力で立ち向かった日和ちゃんと、彼女に寄り添うごく普通の少年の頃橋。どんどん規模の大きな話になる中で、最後まで恋愛小説を貫いた作品でした。 勇気を出して誘っている女の子を前にして、優しさを盾に断る頃橋は青すぎる主人公でしたねえ。しかしこれほど優しく純粋な頃橋だったからこそ、たどり着けた結論だったとも思います。卜部もストーリーの深いところに関わってくる立場だったので、ひとつ彼女にも幸せなオチがついたら良かったのですけれど。2022/04/23
ナギ
33
世界の終わりへのカウントダウン。人類に残された時間は少なく、最後の「お願い」により人類は滅亡する事が確実であったが……最終的には私は終わって欲しかった気もしますが、物語なのでこれがベストなんでしょう。確実に言える事は生きるのは大変だと言う事ですね。2022/10/12
よっち
29
日和の宣言通りに訪れた「終わり」。お願いの力でもなすすべのない崩壊の中、旅立つ深春と日和。彼女の最後のお願いは...終われないセカイで描かれる最後の恋物語。残された日々を二人だけで過ごすつかの間の夢のような生活。その先にあった終わったはずの世界で目の当たりにするかすかな希望。日和がこれまで見てきたことを知って、様々な人の想いを知った深春が最終的に抱いた決意があって、最後のお願いの顛末はこれまでの積み重ねがいい感じに効いていましたけど、深春がこれからその恋と愛にどう向き合うのか、ちょっと気になる結末でした。2022/03/11
紅葉
23
ついに完結 最後の最後まで満足に読むことができました 人類を終わらせるための「最後の願い」を決断した日和 日和の経験したことを追体験しつつも「最後まで諦めない」ことを決意する深春 終始深春を支え続けた卜部 最後まで本作を読むことができて本当に良かったです。 2022/11/10
椎名
13
人類の終わり。それに向き合ったとき、何をしても無意味だと諦めるのか、死こそが唯一の救いであると世界そのものから逃亡するのか。セカイ系、終末ものの根本にあるのは人間賛歌で、変わってしまった世界の中でそれでも何も変わらずに生きていこうとする意思と意味がこの一冊にもぎゅうぎゅうに詰め込まれて描かれている。不条理な世界と人間の関係は過去から一切変わることはなく、深春がその歴史と自分が繋がる感覚を覚えながら語っていたシーンが本当に良かった。改めて卜部がとても好きなキャラになりました。2022/03/14