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内容説明
魔物が巣食う“塔”に挑み、富や名声を得ようとする者―。そんな“昇降者”と呼ばれる存在を志した若者たちがいた。そして、彼らは壊滅した。“塔”に親友たちを奪われた心優しき少年は、悪魔に魂を売り、復讐の鬼と化してギルドを去った。そして彼の事情を知りながら、寄り添えずにいた少女は、ただ悲嘆に暮れる日々を過ごしていた。しかしある日少女は、新たな仲間たちの支えを受け、再び立ち上がる力を取り戻す。あの少年に、追いつくために―だが、そんな彼女に、魔の“塔”は無慈悲にも新たな試練を課すのだった。人の運命を食らう“塔”へ挑む者たちを描く、闇の冒険譚・第二章。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星野流人
39
いや、めちゃくちゃおもしろいですよこれ。1巻ラストで、シアを守るために彼女との決別を選んだスカイツ。その続編たる2巻は、悲嘆に暮れるシアが、もう一度スカイツと向き合うための物語となっています。シアとスカイツの歪な恋物語としてもおもしろいですが、バトルシーンも圧巻です。クライマックスで描かれるバトルはあちこちに伏線が張られていて、ものすごくおもしろかったです。1冊かけてシアが大きく成長したのが感じ取れて、ハードでブラックな世界観を圧倒する爽快感がありました。2021/05/08
しぇん
19
想像と全然違った物語り展開に驚きでした。というか主人公変わってるとか想像できませんよ。でも、凄く面白かったですし元々1巻と表裏構成と考えれば納得のできでした。重苦しいのでラブコメと言われてもラブはあってもコメは無い気がしますが。上下巻と言われても、問題は何も解決していないので是非続きをお願いしたいですが、今の角川で続きが出るのか不安です2021/04/11
のれん
15
シアという残された少女を裏主人公に据えた構成だったとは。 死を耐え続けたシアの目線はこの仲間たちの思い出に一層辛さを与えていく。 一巻では物静かな印象だった彼女が、実は心情豊かでそれを表に出せない奥手な子であったという部分もギャップ的な魅力に溢れている。 そんな彼女が仲間をもう一度得て、失う過程を通して決意する様は本当に綺麗。 甘さを捨てたいスカイツに対し、甘さの源泉たる優しさを取り戻す勇気をもったシアは正に最高の相棒であろう。 願わくばこの接点をさらに描いて欲しい。売上至上の世に祈るばかり。2021/04/12
らいおねる
10
1巻がスカイツ視点だったのに対し2巻はシア(表紙の子)視点。誰一人埋もれない個性で登場人物全員が濃く、そしてしっかりと描かれています。なのにというか好みの問題ですが絶望を魅せるのは良いのですがあまりにも不幸すぎてハマる人とハマらない人は分かれそう。文章自体は読みごたえあるので今度はもっと明るいものが読みたいです。2023/09/06
真白優樹
10
スカイツが去り悲嘆に暮れるシアが、新たな仲間と共に謎の昇降者死亡事件に立ち向かう今巻。―――空の器に目的を込め、いざ再び立ち上がれ。 塞ぎ込むシアが新たな仲間に𠮟咤激励され立ち上がる中、新たな事件の中で容赦ない洗礼が襲い掛かってくる巻であり、前巻とはまた違った絶望が目白押しの中、確かな希望が温かさを持っている巻である。傷つきまた孤独になり、それでも確かに得た大切なものを背負って前へ。スカイツを追い旅立ったシアは、果たして彼に追いつけるのか。この先、絶望は何処まで続くのか。 次巻も勿論楽しみである。2021/04/10