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内容説明
「磊一よ、私からの持て成しと、同じバケモノ同士への親愛の証じゃ。食え」そう言って彼女が突き出したそれは、人間の“はらわた”だった―。昭和25年晩夏。名家の令嬢の家庭教師として、村を訪れた青年・塩沢磊一。そこで彼が目にしたものは、死体のはらわたを貪る美しき“バケモノ姫”、御首茉莉花の姿であった。淑やかな令嬢の変貌は病か、それとも祟りによるものか…?時を同じくして起こる少女の連続失踪事件。失踪者の特徴は、茉莉花の部屋で見た“それ”と一致していて…。バケモノ姫の家庭教師・塩沢磊一がすべての謎を解き明かす―!!
著者等紹介
竜騎士07[リュウキシゼロナナ]
同人サークル、07th Expansion代表。自身がシナリオイラストを担当するサウンドノベル『ひぐらしのなく頃に』を、2002年より発表。同作は一大ブームを巻き起こし、アニメ・コミック・小説・実写ドラマ・舞台へと今なお広がりを見せている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
70
昭和25年晩夏。バケモノ姫こと御首茉莉花の家庭教師となった塩沢磊一は、彼女の変貌の理由を知るために交流を重ねる。時を同じくして少女の連続失踪事件が発生し…。エグいグロ場面から始まるので(しかもイラストあり)、最初はキツさに引いたが、猟奇ミステリーとしてしっかりした内容で面白かった。テーマ性が強く、「マイノリティーは自分の中の怪物と如何に折り合いをつけるべきか?」という問いかけには打たれるし、示唆に富む。癖の強い文章ながらも終盤はビシバシと決まって小気味良い。茉莉花がバケモノなりに変容していく過程が魅力的。2024/07/15
雪紫
44
最初の絵とお嬢様の現状がかなりショッキングで(表紙、誤解するよね)一端閉じる。・・・だが次第に明かされる「バケモノ」の定義と、結びつきがわかれば、読むペースが止まらない。あとがきで明かされたテーマと合わせてひとつの作品として完成したわ(それがこうなるんかい!と言う妙なツッコミはあるが)。そして脇を固める女性陣が良いキャラしてる。お嬢様がデレデレしていく姿は可愛い。2021/02/16
まるぼろ
39
昭和25年の晩夏、御首村の大地主でもある名家の御首家の令嬢の家庭教師として村を訪れた塩沢磊一だったが、その令嬢である茉莉花はとある理由からバケモノ姫と家人から扱われており…というお話です。折しもひぐらし新作が絶賛放送中だったりですが、本書も竜騎士先生らしいオカルトがミステリへ、と言った内容でとても良かったです。そういった意味での「バケモノ」の表現がとても秀逸だったな、と。晴れて自由の身となった茉莉花が…という所で綺麗に〆られてますが、もし続刊するようならば是非続きも読みたいと思いました。2020/11/20
まっさん
31
★★★★ ページを開くと表紙の二人が首元に人間の腸を巻き付けているという衝撃の口絵から始まる今作。時は終戦後、昭和25年晩夏において名家の令嬢ながら人肉を喰らうバケモノとして幽閉されている少女の元を訪れる事になった青年が、彼女との触れ合いを通して彼女に人間としてか、はたまたバケモノとしてかの道を選択させる物語。物語は並行して不自然に失踪した八人の村娘の行方や、彼女のバケモノとしての在り方を奪おうとするとある医者の存在などが絡み合っており、それらを上手く繋ぎ合わせる事で一つの物語として綺麗に纏められてい→2021/03/02
星野流人
29
ひぐらしでお馴染みの竜騎士07さんが電撃文庫初登場ということで、果たして……と思いながら手に取りました。表紙やタイトルからも分かる通りのグロめのホラーといったストーリーで、おもしろい作品でした。竜騎士07さんらしい仕掛けがあったり、茉莉花やメアリーといった女性陣がとても魅力的に描かれているのも良かったです。作品を読んだあとでタイトルの意図が分かり、あとがきも含めてこの1冊全体でメッセージ性がある作品だと思いました。ストーリーとしては完結していますが、このあとの磊一の物語も見てみたいようにも思える作品でした2020/11/01