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内容説明
冬の足音が近づく晩秋の浅草。晴れて営業再開となった栗丸堂には、ふわりと微笑む和菓子のお嬢様と、苦い顔をした若主人の姿があった。それもそのはず、伝統ある茶道家・白鷺流宗家から関西支部の客人を饗す茶菓子の用意を頼まれたのだ。浅草に軒を構えたばかりのライバル店「夢祭菓子舗」の主も同じ依頼を受けているという。和菓子をめぐる騒動は、秋の空のようにころころとその表情を変え―。にぎやかであたたかい、おいしい人情物語をどうぞ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
dr2006
63
中略「この世界の出会いは全て偶然。それを運命的な必然に変えるのは渦中に飛び込んでいく自らの強い意志だ」今作は、茶道家白鷺がもちかけた茶菓子の勝負、聖徳太子の地球儀の謎、栗田の幼馴染由加のもとに届いた差出人不明の人形焼の三話。どれも気軽に楽しめる和菓子ミステリーだ。甘味が得意じゃなくても、凄く人形焼が食べたくなるので注意が必要だ⚠所で人形焼の型が沢山あるのは、類像現象の具現化じゃないけど、何でも擬人化してしまう脳の心理的錯覚のせいかもね。自分が最初に思い浮かぶ人形焼はキティーちゃん。可愛いくて美味しいから❤2022/09/28
ひさか
46
2020年8月メディアワークス文庫刊。書き下ろし。シリーズ7作目。茶菓子、今昔和菓子外伝大福、人形焼、の3つの連作短編。2話目今昔和菓子外伝大福の秦野の登場が不明。次作への伏線?。混乱するだけで、不要なストーリーなんじゃ?。と思うところがあって、楽しめるところが、前作より少なかったです。2020/11/10
ぽろん
42
栗丸堂再開の喜びも束の間、今回は、いろんなところに話が、ぶっ飛んで、私的には、消化不良。今回は、和菓子が猛烈に食べたい気持ちにならなかった。次巻は、葵と栗田中心の話になりそうで、とても楽しみです。2020/11/07
はる
39
今回は甘々少なめ。栗丸堂の周りで事件が発生。そして、番外編ながらも謎多き聖徳太子の地球儀事件。私の中では解決したと思ってたけど、上宮の中では終わってないようす。きっとこれから葵達を巻き込んで一波乱ありそう。2020/10/28
まるぼろ
38
目出度く営業再開し、大繁盛となった再開初日の栗丸堂に白鷺が来店、久しぶりに会う京都の友人達との形式張らない茶会に使える様な茶菓子について相談されるが…というお話です。営業再開した割には栗丸堂の外の話がメインだった気がしますが今巻も面白かったです。サブタイトルの「聖徳太子の地球儀」については事件そのものは…でしたが、上宮に恨みを持ってそうな大部や葵にも関係がありそうな「聖徳の和菓子」絡みでなにかありそうで、今後の展開が気になります。人形焼についてはかっぱ橋辺りで何となく…w そちらの件は一件落着ですが、→2020/10/19