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出版社内容情報
読むと前を向く元気が湧いてくる。自分がもっと好きになる魔法の家事の物語
内容説明
突然終わった結婚生活。バツイチか―と嘆く余裕もない私。職務経験もろくにないが、家事だけは好きだった。そんな私に住み込み家政婦の仕事が舞い込む。相手は高名な小説家。そして整った顔立ちとは裏腹に、ものすごく気難しい人だった。行き場のない私と、ふれ合いを拒む小説家。最初はぎこちなかった関係も、家事が魔法のように変えていく。彼と心を通わせて行くうちに、いつしか―。なにげない毎日が奇跡になる物語―本を閉じた後、爽やかな風を感じてください。不器用で優しい人々が織りなす再生の物語。
著者等紹介
成田名璃子[ナリタナリコ]
青森県生まれ。2011年『月だけが、私のしていることを見おろしていた。』が第18回電撃小説大賞“メディアワークス文庫賞”を受賞し、作家デビュー。2015年『東京すみっこごはん』が人気を博し、ヒットシリーズとなる。2016年『ベンチウォーマーズ』が第7回高校生が選ぶ天竜文学賞、第12回酒飲み書店員大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
375
読んでいて、自然に映像が浮かんでくるような登場人物のやり取り。『すみっこご飯』シリーズなど、いつもの成田名璃子さんの得意技だ。会話のテンポも良いが、地の文のリズムも心地よい。「無心で大根をする。ひたすらする。祝福に満ちた春の気配を無視して、さらにする、する、する。」 大好きだな~。物語は離婚したての子持ちの若い家政婦が主人公。「家事というのは立派なスキル」と言い切られて、すっきりする。能力差があるから、プロ級の腕前も評価されるのだ。部屋を整理しながら、「心も一緒に整理していた」。心から同感。2022/03/17
三代目 びあだいまおう
333
爽快だったぁ!私の持論ですが、この世で最も偉い存在は『母』です。だから、昔のドラマにあった『誰のおかげで飯を食えてると思ってんだ!』というような腐れ旦那の台詞など微塵も感じたことがない。この本は、毎日家事を頑張ってくれてる母親達への応援ストーリー!365日1日も休まずに仕事って、どんなブラック企業より過酷。感謝こそすれバカにする奴は許せない!また娘の美空ちゃんが可愛いんだ!見事な再生ストーリーにも驚きました!すごく好き!私史上最多の『!』で世で頑張る全てのお母さんに感謝いたします!いつもありがとう‼️🙇2020/03/26
ろくせい@やまもとかねよし
277
あとがきに「立ち直りのプロセス」を「平等な時間の使い方」で表現したとあった。物語はそれらに加え自己の孤独を認識し優しく強い「生」を描写。自己の意識が近親者と共有できない確信は絶望を生じ、その要因は自己を支えた利他。離婚を迫れる主人公の女性は、利己のほとんどを抑制させた利他が、その対象の夫の無理解だったと知り、自己安定を失う。小説家は「書く」という利己を支えた利他性への感謝が、その対象の娘と妻の死で突然断絶され、自己安定を失う。しかし、彼らの無意識で捨てきれない利他的想いやりが新しい人生を切り開いていく。2020/03/11
さてさて
260
”家事は、誰にでもできることかもしれないけれど、決して万人に向いているわけではない。当然、そのレベルにもかなりばらつきが出てくる”。そんな風に成田さんが語られる物語には『家事のプロ』として新たな人生をスタートした涼子の歓喜と苦悩の日常が描かれていました。様々な『家事のプロ』の技の数々に、なるほど!と参考になる記述盛りだくさんのこの作品。猫のコヨーテの存在が物語に柔らかい雰囲気感を終始醸し出すこの作品。『家政婦』を主人公とした物語の中に、人が抱える苦悩とそれを乗り越えようとする人の力強さを感じた作品でした。2023/02/22
おしゃべりメガネ
167
著者初読み作品です。家事が中心のお話でした。正直、恥ずかしながら家事に全く無縁の私にはなかなか入り込みにくいお話でした。家事に対して、何かしら大なり小なり抵抗感のある方は読むコトで、少しでも心境の変化が生まれるといいのかなと思います。夫と別れ、小学生の娘と暮らす主人公にどうしてかキモチが入っていかなかったのと、偏屈な小説家の大先生が思ってたより、ちょっと地味なキャラだったのが残念でした。しかし、サラッと読むには内容&ボリュームともにちょうどいいのかなと思います。改めて家事をするコトは色々と大変だなと。2020/03/31