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出版社内容情報
『私を消してくれませんか』
ある雨の日、僕は橋の上で幽霊に出会った。サキと名乗る美しい彼女は、自分の名前以外何も覚えていないらしい。
・一日一時間。
・『またね』は言わない。
二つのルールを決めた僕らは、サキを消すために日々を共に過ごしていく。父しかいない静かな家、くだらない学校、大人びていく幼馴染。全てが息苦しかった高一の夏、幽霊の隣だけが僕の居場所になっていって……。
ねえ、サキ。僕は君に恋するごとに“さよなら”の意味を知ったよ。
衝撃的な内容で発売直後から話題沸騰し、大ヒットとなった『ひきこもりの弟だった』から二年半――今、葦舟ナツが綴る、《別れ》の意味を問う、新たな衝撃作。
内容説明
大切な人がいる全ての人へ。“別れ”の意味を問う物語。「私を消してくれませんか」ある雨の日、僕は橋の上で幽霊に出会った。サキと名乗る美しい彼女は、自分の名前以外何も覚えていないらしい。会うのは一日一時間。「またね」は言わない。二つのルールを決めた僕らは、サキを消すために日々を共に過ごしていく。父しかいない静かな家、くだらない学校、大人びていく幼馴染。全てが息苦しい世界で、幽霊の隣だけが僕の居場所になっていって―。
著者等紹介
葦舟ナツ[アシフネナツ]
第23回電撃小説大賞にて“選考委員奨励賞”を受賞した『ひきこもりの弟だった』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
63
このイラストや帯の惹句にあるようなわかりやすい「恋愛」の形を書いている作品ではない。もっと根源的な、魂と魂との交流のようなものを求めるのがこの二人の物語なのではないか。前作を読み返すことが、著者のあとがきの真意を理解する鍵になるのだろう。いつか果たしたい。2019/12/06
よっち
39
ある雨の日、橋の上でサキと名乗る美しい幽霊に出会った泉春人が、自分を消してほしいと願う彼女と消すために日々を共に過ごしていく物語。全てが息苦しかった高一の夏。そんな中で彼女と過ごす時間は確かな変化で、けれど彼女に対する戸惑いも確かにあって。サキの過去が明かされてゆくエピソードの先にあった二人の関係にはまた違った印象もあっただけに、最後は唐突であっけないようにも思えましたけど、サキの心情がどのように変わったのか、そして最初に決めたルールも意外とポイントだったのか、その分岐点をいろいろ考えたくなる結末でした。2019/11/22
アズマ
32
1度じゃ呑み込みきれないのでもう一度読みたいです。読んでいてあっという間に読み終わってしまいました。苦しいながらでの日々に読んでいて辛いけどそれでも好きです。2020/01/08
shikada
21
「ひきこもりの弟だった」の著者、葦舟ナツさんの2作目。毎日に息苦しさを抱えている男子高校生が、「わたしを消してください」と願う幽霊の少女に出会って恋をする。前作にノックアウトされた身としては、物足りなかった。きっと自分は、前作のような作風の作品の再生産を勝手に期待して、勝手に失望したのだろう。凄く身勝手で無責任なことを言えば、こういう作品なら、葦舟さんでなくとも書けるんじゃないかと思う。はじめて読む作家さんだったらきっと先入観なしに楽しめただろうけど、葦舟さんには凄く高い期待値を設定してしまっていた…。2019/12/12
秀玉
15
前作ひきこもりの弟…との姉妹作らしい。前作も購入済み続けて読む。作家の想いが詰まっている、そんな風に感じた。物語の最後はあっさりしている。幽霊のサキも答えを見つけて消えたのではと思う。物語はテンポが悪く、主人公とサキの関係をどうしたかったか?。作者は二人の淡い出会いと別れを文学作品風にしたいのか。主人公は急に苛立ってみたり、主人公の過去の記憶が変わるがわり出てきたり、近所の同級生、関谷との関係も普通で、何かの変化もおもしろさも無い。ただ幽霊のサキは生前苦しんでいたことはわかる。そこを掘り下げて欲しかった。2022/02/02