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内容説明
十二歳で夫と死に別れ尼となった五位鷺の姫君、預流の前。都の貴族の姫君の悩み相談を受けながら清く正しく生きているのに、やたら絡んでくるのは僧正も一目置く超エリート阿闍梨、繊細すぎて放っておけない不幸体質陰陽師、光源氏もかくやの色男な中将と男難の相で日々煩悩満載!尼を何だと思っているの!?そこに舞い込む不穏な事件。悪事は神が仏が許してもこのわたしが許さない!文句があるなら尼寺へいらっしゃい!雅なはずの平安の世に、破格の姫君が騒動を巻き起こす!
著者等紹介
汀こるもの[ミギワコルモノ]
『パラダイス・クローズド』で第37回メフィスト賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
72
尼となった姫を主人公に濃いキャラ達が絡んできます。サブタイトルにある平安ロマンチカって感じの終わり方でした。2019/06/27
よっち
49
十二歳で夫と死に別れ尼となった五位鷺の姫君・預流の前。功徳を積み清く正しく生きようとしているのに僧正も一目置く超エリート阿闍梨、不幸体質陰陽師、さらに色男の中将にまで絡まれる平安恋愛絵巻。現代的ミーハー感覚で平安時代を描写しているからか、やや文章が頭に入ってこなかった感はありましたけど、やたらリアルな陰陽師事情や信心深い貴族生活だったり、彼らの恋愛脳的発想はなかなか斬新でした。みんな何も考えてないようでいろいろ考えてるんだな…というのも見えてきて、そんな中でも預流の破格っぷりは際立っていて面白かったです。2019/07/01
ダージリン
39
汀こるものさんが少女小説を書いたのかと驚きましたが、こるもの節?は健在で平安貴族を現代思考とセリフで斬りまくる~面白かったです。尼のヒロインと陰陽師と美僧で、宗教抗争かと思われる始まりでしたが、最後はロマンスの香りが漂うミラクル(笑)。2019/05/22
すがはら
28
すごい。気付いたら主要キャラ達が平安の常識を現代人目線で斬りまくりでした。初めはあくまでも地の文で作家さんのつぶやき的な解説だよねと思ってましたが、しっかりセリフになってるよ!と分かって感心しました。清々しいです。取って付けたような転生設定なんて必要なしです。一気読みでした。平安の僧やら陰陽師やら諸々の習俗やらおおよそ知ってはいたけど面白かった。意外な情報網とかも。登場人物たちのうち、誰が一番のくせ者なのか、それぞれ無自覚にたぶらかし合ってるのか。翔んでる尼僧に目を付けられた安倍の惣領さんの今後が見たい。2019/05/09
雪紫
24
平成最後の読了本。これ、平安時代でしたよね?とツッコミたいとばかりにテンション高めな俗物どもが現代語をやたらと勃発(その例えのおかげでわかりやすいとはいえ)! 陰陽師なのにファンタジー要素一切なし(大明神にとって陰陽師は魔法扱いなの?)。平安の人間は恋愛脳。陰陽師と尼はまさかのモブ! 何故か読んでて「笑う大天使」で光源氏がけなされまくってたことを思い出さずにはいられないそんな一冊。そして恋愛物としても何故か成立してるし・・・これ読んで「式の密室」を再読したくなったわたしって変かな?2019/04/30