内容説明
1916年、セイロンでひとりの少女が生を受けた。ラクシュミーと名付けられ、賢く活発な少女へと成長した彼女に、マレーシアの大商人との縁談がもちあがる。わずか14歳で妻となり、夫にともなわれてマレーシアに渡ったラクシュミーは、そこで夫の嘘を知る。彼は、大富豪などではなく、あちこちに借金を抱えた小役人だった。持って生まれた不屈の精神で借金を返済しながら、ラクシュミーは男女の双子を筆頭に6人の子どもを次々と世に送り出す。貧しいけれど、温かさに包まれた日々。しかし、折しも日本軍の侵攻にマレーシアの人々が震えあがっていた時代、最大の不幸が一家を襲う…。
著者等紹介
マニカ,ラニ[マニカ,ラニ][Manicka,Rani]
マレーシア出身。大学では経営学を専攻。卒業後、ドイツに渡り国際インターンシップとして企業に勤めた後、ロンドンに移住する。母親の口から伝え聞いた一族の歴史を土台にして、『ライスマザー』の物語を創作。デビュー作にして、2003年のコモンウェルス賞の栄光に輝く
川副智子[カワゾエトモコ]
東京都出身。早稲田大学文学部卒業。翻訳家
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