迷い家

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  • サイズ B6判/ページ数 416p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041061602
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

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第24回日本ホラー小説大賞 優秀賞受賞作
(選考委員:綾辻行人、貴志祐介、宮部みゆき)

綾辻行人「作品に強烈な“圧”がみなぎっている」
貴志祐介「エンタメ=壮大な虚構の極北として感動すら覚えた」
宮部みゆき「作者の物怪に対する愛情と、この分野の先達へのリスペクトが感じられた」
(選評より)


ここは迷い家。妖と霊宝を隠世(かくりよ)に閉じ込める屋敷――

昭和20年。火の雨降る東京大空襲から生き残った少年・冬野心造は、遅れ

内容説明

ここは迷い家。妖と霊宝を隠世に閉じ込める屋敷―。昭和20年。火の雨降る東京から、民話が息づく地・古森塚に疎開した少年・冬野心造。しかし、ほどなく妹の真那子が行方不明となる。脱走か、人攫いか、神隠しか―。証言をもとに山に入った心造の前に忽然と現れたのは、見渡す限りの蕗の原にたたずむ巨大な屋敷だった。次々襲ってくる妖怪たちをかわしながら、老犬「しっぺい太郎」に導かれ、屋敷内の様々な「霊宝」を使って脱出を図る心造。時代の夜に取り残され、闇の中で一人、焼け爛れた悪夢を見続ける少年の心には、いつしか紅蓮の野望が芽生えはじめて―。第24回日本ホラー小説大賞優秀賞受賞作。

著者等紹介

山吹静吽[ヤマブキセイウン]
1987年京都府生まれ。龍谷大学法学部卒業。現在、リハビリ介助を行う介護士として勤める。2017年、「迷い家」で第24回日本ホラー小説大賞“優秀賞”を受賞(受賞時筆名:霞澄晴吽)。同作単行本でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

192
日本ホラー小説大賞優秀作品賞を受賞したので、読みました。第1章は快調に飛ばして、良い雰囲気だったのですが、第2章に突入して失速しました。第2章も佳かったら、大賞受賞だったかも知れません。いずれにしても次回作に期待したいと思います。2017/12/13

モルク

101
「遠野物語」に出てくる迷い家ををホラー仕立てにしてある。2章からなり、1章は終戦間近な疎開地に東京大空襲から逃れてきた心造。先に疎開していた妹に東京の様子、母の死を告げられない。東京を恋い失踪した妹を追い迷い家に…そこには妖や霊宝が封印された異界の家だった。2章は14年後、妹を連れ出した香苗が兄妹を捜しに迷い家へ…そこには心造が当時の姿のままいた。全体的に血生臭く、多くの霊宝の説明は読みずらい。軍国少年のまっすぐな心が痛い。教育という名の洗脳が一番怖かった。2018/05/13

のぶ

92
ホラー大賞の優秀作を獲った作品のようだが(大賞なし)受賞した理由と、大賞になれなかった事情がなんとなく分かった気がした。物語の設定はことのほかシンプル。疎開先の太平洋戦争の末期に冬野心造の妹が行方不明になる。妹の消息を追って迷い家にたどり着いてしまう少年の話。この時代の不安な状況に民俗学の要素を取り入れてよりホラー色を高めている。前半部は快調に読み進められたが、中盤以降進行が停滞気味になってくる。ホラー小説の雰囲気は十分に持っているので、ここが改善されれば大賞だったのではと思った。2018/01/16

ゆみねこ

91
第24回日本ホラー小説大賞優秀賞受賞作。初読みの作家さんです。太平洋戦争末期、学童疎開で東京を離れた子供たち。東京大空襲のあと遅れて合流した少年と少女。地域に昔から伝わる「迷い家」伝説。神隠しにあった少女と捜しに行ったまま戻らなかった少年。戦争が起こした悲劇と人間の業。古い伝承の引用文が多くて少し読み難かったけれど、中々の満足感で読了。2018/02/18

ゆかーん

81
切ない…。ホラーなのに悲しく淋しい読後感で胸が締め付けられました…。時代は第二次世界大戦の東京大空襲直後。父も母も失ってしまった心造は、妹と二人で山奥の村へ集団疎開にきました。田舎での生活に慣れず、辛い生活が続いていたある日、その土地に語り継がれる『迷い家』の伝説を耳にします。東京へ帰りたくても帰れない不安さに付け込まれ、気がつくと出口のない屋敷に閉じ込められていた二人。弱い気持ちが影響して、屋敷を永遠に彷徨う姿は、恐ろしいと同時に悲しさで一杯でした。私も屋敷に閉じ込められないよう気をつけないと…。2018/01/11

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