内容説明
パパは一流ミュージシャン。でもそれは何十年も前のこと。大スター、レスター・ジョーンズのバンドでプレイしていた過去の栄光からまだ抜け出せないで失業中。そんなうだつの上がらないパパに、ママは心底うんざり、ふたりの関係はますます悪くなる一方。ついにパパは家を出てしまった。ぼくはガブリエル、15歳。好きなのは絵を描くこと。夢は映画監督。でも、こんな両親にかこまれて、生活はしっちゃかめっちゃか。パパとママの仲を元通りにするには、いったいどうしたらいいんだろう。そんなとき、パパにレスターから電話がかかってきて、彼に会いにいくことに…。クレイシが描くちょっとクレイジーでせつない青春&家族小説。
著者等紹介
クレイシ,ハニフ[クレイシ,ハニフ][Kureishi,Hanif]
ロンドン大学で哲学を学び、21歳から舞台の脚本を書き始める。スティーブン・フリアーズ監督の『マイ・ビューティフル・ランドレッド』(1985)の脚本でアカデミー賞にノミネートされる。『ロンドン・キルズ・ミー』ではみずから監督も手がける
中川五郎[ナカガワゴロウ]
シンガー・ソングライター、音楽評論家、翻訳や小説など、さまざまな分野で活躍
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
マッピー
16
主人公のガブリエルは、絵を描くのが得意で、いつかは映画を製作をするのが夢の15歳の男の子。別居するに至った両親を、なんとか仲直りさせようと奔走する、純粋でいい子です。個人の自由はもちろん大切だけれども、大人としての義務は果たさなければならない、と私は考えるので、いつまでも子どものままに自己中心的で生活能力のないガブリエルの両親は、どうしても好きになれなかった。そして、ガブリエルの秘密の能力と、幼いころに亡くなっている双子の兄弟との関係が、思わせぶりに書かれている割にはストーリーに全然生かされていない。2025/11/29
りっか
0
つーか、息子のこと見てろよ!ちょっとバラバラの家族が一つにまとまる、ちょっといい話。訳の中川さんのライナーノーツ結構好き。
plum
0
どうしようもないパパだけど,音楽の才能はある。歌は「何はさておき,みんなをいい気分にさせるためにp71」ある。息子は絵を描く才能がある。「熱意こそが人を動かす」と息子を励ます。かつて一緒に演奏したレスター(デビッドボウイやないのか)がそうだったから。ロンドン下町で新たな一歩を踏み出す一家。マイ・ビューティフル・ランドレッド(1985)脚本2024/12/20
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