天皇が神だったころ

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  • サイズ B6判/ページ数 166p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048980838
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

明日、私たちは住みなれた家を離れ、日系人収容所へと旅立つ。濡れ衣を着せられて逮捕された夫と別れ、幼い娘と息子を連れて。故郷を捨ててアメリカに渡り、長いあいだ平穏に暮らしてきたのに、戦争がすべてを変えてしまったのだ。いったいこの先に何が待ちうけているのだろうか?第二次世界大戦中のアメリカを舞台に、日系人であるためだけにアメリカン・ドリームから追われた家族の姿を、著者の家族の実体験を元に両親と娘、息子のそれぞれの視点から描く衝撃作。

内容説明

明日、私たちは住みなれた家を離れ、日系人収容所へと旅立つ。濡れ衣を着せられて逮捕された夫と別れ、幼い娘と息子を連れて。故郷を捨ててアメリカに渡り、長いあいだ平穏に暮らしてきたのに、戦争がすべてを変えてしまったのだ。いったいこの先に何が待ちうけているのだろうか?第二次世界大戦中のアメリカを舞台に、日系人であるためだけにアメリカン・ドリームから追われた家族の姿を、著者の家族の実体験を元に両親と娘、息子のそれぞれの視点から描く衝撃作。

著者等紹介

オーツカ,ジュリー[オーツカ,ジュリー][Otsuka,Julie]
カリフォルニア州パロ・アルト生まれ。日系人の両親をもつ日系三世としてロサンゼルスで育つ。イェール大学で美術を専攻して芸術家を志すが、三十歳のときに作家に転向。1998年、キャロル・リード編によるBest of the Fiction Workshop Anthology ’98に短篇が収録される。母方の家族の実体験を元にして生まれた『天皇が神だったころ』が長編デビュー作にあたる。ニューヨーク在住

近藤麻里子[コンドウマリコ]
東京外国語大学英米語学科卒、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

空猫

18
第二次大戦中米国で敵性外国人として収容所に送還、拘禁された日系人達の物語。暴力的な描写は1つもなく移送される前日から移動の汽車中、収容所の生活そして帰宅できるまで淡々と話は進む。国のトップが決めた戦争で市井の人は突然日常を奪われる。国への忠誠心とは何だ?命が助かるなら、家族と暮らせるなら「私が悪い」と言おう。収容者でなく居住者とも、「ジャップを殺せ」とも。ただの言葉じゃないか。心まで縛れないのだから。物凄く静かだが強烈な叫びを感じた一冊。2016/05/10

とまと

11
日系人の両親をもつ日系3世として育った著者が「ある日系人家族の姿を通して、第二次世界対戦中のアメリカで敵性外国人として抑留収容所に送られた日系人たちの苦難を描いた小説」。抑えた筆致で淡々と綴られているからこそ伝わるものがある。日系人たちがユダヤ人虐殺に比べれば自分たちの体験はたいしたことないなどと思わなくてよく、私たちは戦時中のアメリカでこういうことがあったことを知った方がよい。汽車が通りすぎたら汽車が通ったことを忘れてしまうようにこのことを忘れてはいけない。2016/07/10

Viola

9
『屋根裏の仏さま』が良かったので、ぜひ読みたかった著者の前作。『屋根裏』の戦争の部分を取り出したような作品。あの時、アメリカに暮らす日系人に起こったこと。ある家族を追った形になっているが、あえて固有名詞をつけないことで、それが誰にも起こり得たことなのだという怖さが忍び寄る。戦争は相手を悪魔にしてしまう、どちらからも。戦後、日常に戻ってからの冷たい視線にそれが表れる。最終章での「わたしたちは」のリフレインは次作では全面に使われる手法。たくさんの人の叫びや嘆きがあちこちから聞こえるようで切ない。2016/04/22

ひじき

9
来学期の社会学のテキスト。原書で読了。カリフォルニアの日系家族の物語。第二次大戦勃発で、父はスパイ容疑で逮捕され、母と二人の子どもは砂漠の中の強制収容所に。敵対国の出身者というだけで、沿岸部の12万人もの日系人が同様の運命に遭った。彼らを支えるのは思い出と家族愛。父との葉書のやりとりでまた生活が元通りになる日を夢見る。3年半後、戦争が終わって帰ってみると、家は荒らされ、人々の視線は冷たい。戦中よりも戦後のほうが過酷だ。母はメイドの仕事に就き、父は別人になって帰る。でも子どもたちの成長が希望を感じさせる。2013/12/22

みーまりぽん

8
改題された新版「あのころ、天皇は神だった」にて読了。 こちらの帯には今をときめく(?)コルソン・ホワイトヘッド氏の推薦文が載ってました。2021/08/04

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