調律師の恋

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  • サイズ B6判/ページ数 415p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784048972093
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

時は1886年。ロンドン随一の調律師エドガーに陸軍から奇妙な依頼が届く。「ビルマの奥地に行ってエラールの調律をしてほしい」エラール。それは音楽を愛する者にとって憧れともいえる伝説のピアノ。遙か遠い戦禍のビルマになぜ―疑問と不安を覚えながらも、彼は旅立つ。愛する妻を一人ロンドンに残して。カルカッタ、ラングーン、マンダレー…未知なる土地での出会いは、エドガーを引き戻せない運命の轍へと巻き込んでゆく。すべてはバッハの旋律のように静謐で、儚く、美しく、時に不条理なもの。すべては説明のつかない大きな愛。世界各国から絶賛された、弱冠26歳の医大生による衝撃の処女作。

著者等紹介

メイスン,ダニエル[メイスン,ダニエル][Mason,Daniel Philippe]
カリフォルニア・パロアルト育ち。1998年ハーバード大学を首席で卒業(専攻は生物学)、さらにマラリアの調査研究のため一年ほどビルマ・タイ国境地帯に滞在。その後サンフランシスコのカリフォルニア大学医学部に入学し、2003年に卒業。在学中に執筆した本作が全米・全英で大絶賛、世界各国で翻訳権の争奪となる

小川高義[オガワタカヨシ]
1956年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。横浜市立大学文理学部専任講師を経て、現在同大学助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

北風

8
戦時のビルマに運び込まれたピアノを調律するための、長い旅路。ともに歩む精霊は、読者。故郷のイギリスからビルマまでの旅路は、本のおよそ半分。それからも目的のピアノにはたどり着けないという苦行。調律師が恋したのは、ビルマの女か、ピアノか。彼が呼ばれたのは、本当にピアノのためだったのか? 人生の寄り道にしてはあまりにも危険な旅。オデュッセウスは迷ったのでは無い。もう帰るわけにはいかなくなった。平凡な人生に無かった、旅、知らない土地、戦争。帰るわけにはいかなくなった。恋しい故郷、妻、帰るわけには、いかなくなった。2016/08/15

Penn

2
児玉清氏の「久々に小説の醍醐味を堪能できる極上の作品」という帯に魅かれて購入したものの、13年近く積読状態だった作品。ビルマの奥地に運ばれるエラールのピアノ(まるで『フィツカラルド』のようだ!)と、その調律のためにロンドンから遥々赴く調律師というだけでも十分に絵になるが、そこにビルマの歴史と文化とが織り込まれ、夢のような物語となった。「レイッビャーは一種の精霊で、蝶みたいに羽が生えてて、でも飛ぶのは夜です」「眠った人の口からレイッビャーが飛び出して、あちこちへ行って、ものを見ます。それが夢なんです」2016/04/04

もち

1
イギリス植民地ビルマでの物語。調律師が主人公ではあるが、本題はそこになく、19世紀末ビルマの情勢が主だろう。植民地に訪れた、当地に親しみをもつ宗主国側の人間という像は私にとっては珍しく、おもしろかった。2022/02/02

Charlie

0
非常に映像的な小説。翻訳家の力量に感嘆。2014/05/12

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