ハヤカワ文庫<br> X電車で行こう

ハヤカワ文庫
X電車で行こう

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  • サイズ 文庫判
  • 商品コード 9784150300074

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

49
【鉄道月間・15冊目】 アニメは未見。7編のSF短編集で、やはりタイトル作が秀逸。全編が、教訓めいたものを引き出そうとすることを拒絶するようなストーリーで、虚無的ではあっても、恐怖に陥らせはしない。視点人物は、破滅への道に向かっていても、なぜか強気で、ことの次第・進行を受け入れていく。硬質な文体は、日常や恋愛のような要素すら、凍りつかせ、空中に霧のように拡散させていくようだ。それでも視点人物は決してすべてをあきらめることなく、心の底にしっかり据えて、結末のあとも生きていく。かなりのハードストーリー。2022/04/12

へくとぱすかる

35
硬質で突き放した文体が魅力。7編の作品に登場する主人公は、作品こそ違っていても、同じように孤独をまとっている。タイトルの「X電車で行こう」は鉄道ファンなら、読むことそのものが知的な楽しさに直結する。他のどの作品も、理由などどこ吹く風とばかりに、不条理世界が展開される。3作が鉄道関係の作品というのがうれしい。鉄道ミステリならぬ鉄道SFの、歴史に残る里程標である。2017/01/25

おたま

27
山野浩一のデビュー短編集。異世界、異次元との接触、そこから自己の自由、解放が紡ぎ出される。また現実生活の虚妄や空疎感が露わになってくる。超能力者、タイムワープ、パラレルワールド、幽霊電車等のSF的ガジェットを使いながら、鮮烈なイメージが思弁的な世界を切り拓く。表題作『X電車で行こう』は、山野浩一のそうした世界が凝縮され、ジャズミュージックをBGMとして、非常にポップに展開していく。X電車は、鉄路の上を次第に速度を上げながら快進撃し、日常を爆破・突破していく。もはや誰にも止められない。思弁的怪獣小説!2022/05/04

渡邊利道

4
最初の三編は超能力とタイムスリップ、異次元空間とオーソドックスなガジェットを使っているが、あとはどれもSFというよりも現代的かつ思弁的な幻想小説といった趣が強い。独特のクールでダウナーでありつつ、物語の展開に従って高揚感が現れるスタイルは最初からほとんど完成されている。形而上学的な普遍性を伴った幻想文学でありつつ、現代(戦後)日本への文明批評的作品でもあるという二重性は後年の作品にも顕著な特徴と言えるかも。2018/08/12

けいちゃっぷ

3
表題作がイイ。

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