内容説明
その夏、ケイトはルーカスに出会った。ひと目見て、忘れられない魅力をもった不思議な少年。自然に溶け込み、動物や植物を愛し、どこかこの世の人ではないような行動を見せる。思春期の娘を愛しながら心配する父親や、反抗期で変わり果てた兄、不良になって堕ちてゆく親友―そんな周りの変化にとまどい、心を閉ざしていたケイトに、ルーカスは新鮮な喜びを与えてくれた。言葉は少なくても、心を通わせるあたたかな気持ちで。しかしケイトの住む小さな島では、ルーカスは厄介者。村人たちは身元不明の怪しい放浪者として、彼を敬遠し、排除しようとする。そして止める手立てのない悲劇が、ケイトとルーカスに訪れようとしていた…。
著者等紹介
ブルックス,ケヴィン[ブルックス,ケヴィン][Brooks,Kevin]
イギリス・エクセター生まれ。火葬場の雑用係や動物園の露天商、タイピストなど数々の職歴の末、執筆を開始。新人短篇作家に贈られるキャノンゲイト賞を受賞した後、初の小説『マーティン・ピッグ』(角川書店BOOKPLUS刊)を執筆。それが『ハリー・ポッター』を生み出した名編集者の目に留まり、刊行されるや『ライ麦畑』以来の青春小説の傑作と絶賛された。第2作の『ルーカス』でカーネギー賞の候補となり、イギリスでは大注目を浴びている新進作家の1人
林香織[ハヤシカオリ]
名古屋大学文学部英文学科卒。高校教師を経て、英米文学翻訳家に
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