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出版社内容情報
ひとくちの菓子で繋がる優しい“絆”。とある料理番が紡ぐ人情物語。『生きるための食事でなく、ひと時の幸福のための菓子を作る』
江戸の吉原一、料理が美味いと評判の中見世・美角屋。そこで働く“菓子専門の料理番”太佑は、日々訪れる客や遊女達のために菓子を作っていた。しかしある日、幼馴染で見世一番の花魁・朝露が全く太佑の菓子を食べていないことを知り……。
切ない想いを秘め、懸命に生きる人々にひとくちの“夢”を届ける――とある料理番の、心温まる人情物語。
江中 みのり[エナカ ミノリ]
著・文・その他
内容説明
江戸の吉原一、料理が美味いと評判の中見世・美角屋。そこで働く“菓子専門の料理番”太佑は、日々訪れる客や遊女達のために菓子を作っていた。しかしある日、幼馴染で見世一番の花魁・朝露が全く太佑の菓子を食べていないことを知り…。切ない想いを秘め、懸命に生きる人々にひとくちの“夢”を届ける―とある料理番の、心温まる人情物語。第24回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞受賞作。
著者等紹介
江中みのり[エナカミノリ]
兵庫県出身。『吉原百菓ひとくちの夢』で第24回電撃小説大賞“メディアワークス文庫賞”を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
68
特に夜の描写に独特の色気や空気のゆらめきのようなものが感じられ、この方はこれから書いていかれる方だなと思った。吉原の哀しさも江戸時代の菓子についてもよく取材されていて、不安定なところなく読めた。これからの作品を楽しみにしております。2018/02/25
野のこ
66
時代小説は苦手ですがこれは読みやすく、かつお菓子とほっこりするお話。あとがきを読んで好みが著者の江中さんと同じで嬉しい。そうそう季節のお花もさりげなく良かったし、個性の光る登場人物はイメージが膨らんで楽しかった。小さな幸せのきっかけになるお菓子、特にふっくらカステイラが美味しそうでした。馴染みの深い朝露には美味しいものは美味しいって昔のように笑ってほしい。朝露が大好きな大佑の菓子を食べない理由が切なかったです。人の気持ちも自分の気持ちも難しい。次作へ2019/11/20
ばたやん@かみがた
44
登場人物皆が共感性に溢れた優しい人物ばかり。そこに主人公・太佑の菓子作りの手腕と「幸せのきっかけ作りたい」という心意気が共鳴して心暖まる短編集となっている。朝霧への慕情は恋愛感情と言う程には育ってないが、相手は花魁である為元より叶わない事情もあってこういう関係もありか、という気にさせられる。徳之進の養親との関係、何より太佑自身の身の上について、未だ語り尽くされたとは言えないので、続きあるならばこの辺りに焦点が当たるのだろうか。後、遊郭の主人や同僚・末吉等の端役と言える人物もそれぞれに印象的。2018/07/16
はるぽん🐰道草中🐱
41
この本は この表紙じゃなかったら きっと手にとることはなかったかも。(イケメンです✧*)久しぶりの時代小説、吉原の美角屋で和菓子専門料理番として働く太佑。吉原百菓ひとくちの夢〜花魁の朝露のため、そして「生きるための食事ではなく、ひと時の幸福のための菓子を作る」物語。吉原の中でありながら表紙のように淡い読み心地。転と結がよかった。食いしん坊の私としては、お菓子の描写は薄口だったかな。2018/04/06
青蓮
40
吉原一料理がうまいと評判の美角屋で働く菓子専門の料理番・太佑を主人公とした人情モノです。泣いて笑ってまた頑張れる。ハートフルな時代小説。心が疲れた時に良いかも。太佑さん、心根が良いですね。2019/06/09