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出版社内容情報
“監獄のような、この世界で”
“少女は咎人と、旅をする”
これは“魔術”が忌避され、呪いとされる時代の出来事――。
魔術師たちの監獄である『ヴァッセルヘルム大監獄』に着任した若き刑法官マリアンヌへ、国から衝撃の厳命が下った。それは数年前、魔術師たちの反乱を扇動して捕らえられた男ギルロアとともに、未だ逃亡を続ける反乱の首謀者レメディオスを捕縛せよというものだった。
反乱軍と王国軍の戦いで故郷と両親を失ったマリアンヌと、反乱軍の魔術師にして大犯罪者であるギルロア。水と油の二人は、口論を重ねながらも旅を続ける。
その最中、マリアンヌはかつての魔術師たちの反乱に隠された“真実”に少しずつ近づいていき――。
内容説明
これは“魔術”が忌避され、呪いとされる時代の出来事―。魔術師たちの監獄である『ヴァッセルヘルム大監獄』に着任した若き刑法官マリアンヌへ、国から衝撃の厳命が下った。それは数年前、魔術師たちの反乱を扇動して捕らえられた男ギルロアとともに、未だ逃亡を続ける反乱の首謀者レメディオスを捕縛せよというものだった。反乱軍と王国軍の戦いで故郷と両親を失ったマリアンヌと、反乱軍の魔術師にして大犯罪者であるギルロア。水と油の二人は、口論を重ねながらも旅を続ける。その最中、マリアンヌはかつての魔術師たちの反乱に隠された“真実”に少しずつ近づいていき―?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
46
これは"魔術"が忌避され、呪いとされる時代を舞台にした、若き刑法官と反乱軍の大罪人の旅を描いた物語。魔術師たちの反乱に隠された残酷な真実、そして反乱軍の双璧と言われた男が胸に抱えた思い。それらに触れた少女の成長を描いた今作。胸が締め付けられるような哀しみと、その先から見える希望の光、これらが織り成す事によって得られる読後感は大変素晴らしく、今回も存分に堪能させて貰いました。哀しくも美しい、透明感に溢れた物語の中ですね。松山先生の作品はどれも心に響き、素敵な読後感に浸らせてくれるから好きだな。2017/12/11
よっち
42
魔術師たちの監獄『ヴァッセルヘルム大監獄』に着任した若き刑法官マリアンヌが、数年前に魔術師たちの反乱を扇動して捕らえられた男ギルロアとともに、未だ逃亡を続ける反乱の首謀者レメディオスを捕縛する旅に出る物語。故郷と両親を失って魔術師に複雑な想いを抱えるマリアンヌと、掴みどころがないギルロアの目的。彼女たちが旅先で目にする意外な光景と、王国で反乱と呼ばれていたものの真実。きちんと向き合ったマリアンヌの心情を思うと切なくもありましたけど、そんな彼女の決意とこれからを応援したくなるとても著者さんらしい作品でした。2017/12/11
あなほりふくろう
21
匂いじゃなくて心音フェチでしたかじゃなかった成程そうきましたか。面白くはあったんですが、物足りないという思いもちょっとだけ。もっとシリアスで救いのない、重く暗い世界のはずがギルロアとマリアンヌの軽妙な掛け合いで薄まってしまって、結果、最後に差し込む希望の光も弱まってしまったような。物語に厚みを増すためにもうふとつふたつエピソードが欲しいかな紙幅が足りないかなって気もしました。2018/01/07
たこやき
14
まず言うと、「魔術監獄」が全くどーでもよかった(笑) 魔術が忌み嫌われる世界で起きた魔術師による反乱。その首謀者を追うため、マリアンヌは幹部であった受刑者・ギルロアと旅に出る。首謀者についての情報を集める中で、その秘密を知って、実は「この世界は……」という流れ自体は悪くない。ただ、良くも悪くも会話とか、そういうものが軽く、ダークさが足りない気がする。この設定であれば、もっと暗く、どす黒い怒りとか、そういう方向にも持っていけるはず。変なエロとかいらんから、と思ってしまった。2018/04/11
真白優樹
14
―――忌むべき魔術、世界の真実。それを見て何を選ぶ? 魔術の反乱が起きた世界、だが旅路の中で触れるのは違和感と何とも拭えぬすれ違いの気配。その旅路の果てに垣間見るはこの救えぬ世界で起きた反乱の痛ましい真実、そしてある男が胸にずっと持っていた忠義と献身。そんな物に少女が触れ、大きく成長し自らの道を選び取るこの物語。大きな燃える展開は無くとも、静かに侵攻する事態と救えぬ世界の中で足掻く子供達の声がある。そんな言葉に心惹かれた読者様にはお勧め出来るかもしれない。歩き出した少女の道の先とは。 うん、面白かった。2017/12/09